2017年観劇23本目:War Paint

5月21日(日) 3pm
War Paint
Nederlander Theatre
G21 $40 Rush

トニー賞の主演女優賞にどちらもノミネートされたWar Paint。
Patti LuPoneがこの作品を最後に
ミュージカルは引退する、という話もしていますが、
まだまだ引退なんてする必要ないでしょ、という迫力でした。

何がすごいって、Patti LuPoneもそうだけど、
Christine Ebersoleも、歌で聴かせてくれるところ。
wikiによると68歳と64歳らしいのですが、
もう年齢だしねーなんて思わせることのない声量と声の艶です。

Playbillにも書いてありましたが、
フォードの車とか、エジソンの電気は有名だけど、
世界的に化粧品業界という大市場を作り上げた二人の功績が
こうやってミュージカルになるのはテーマとしてとてもおもしろかったです。

イメージ重視とサイエンスベース。ピンクと青。
ともに男性が片腕となっていて、でもその二人にも葛藤や秘密があり…。
彼らによって開発されたマーケティング手法や、
FDAに持ち込むあたりも、事実として面白かった。

ややドキュメンタリー調ではありましたが、
主演二人の辛辣でドライなセリフも楽しめました。

ただ!演出がですね…。
一方が右から出てきて右にはける、もう一方が左から出てきて左にはける、の繰り返し。
せっかくの大女優の絡みがほとんどありません。
舞台上には二人が同時にいることはあるけど、
物語はそれぞれ進んで行きます。
ライバルだったから物理的に同じ場所にいることは少なかっただろうけど、
でもそこは舞台なんだから、何か工夫してくれよー。

そして違和感だったのは、別々の場所にいる設定なのに、
自分の陣地を超えて、相手陣地のセットに触れたり座ったりすること。
いやいや、そのセットは別の場所にいるライバル側のセットでしょ、
触れるのはおかしいでしょ、みたいな。

あとはレストランのシーンで、一度は先にレストランにいた方が、
ライバルが自分の席の前を通るときに、相手に気づかれないように顔を隠す、
ということをするのに、別のシーンでは、
目の前を通るのに相手の存在には気づかないという設定になっていること。
セット上、席が隣どうしなのに気づかないっておかしいでしょー。
他にも空間の使い方に違和感があるところが多々ありました。

曲は耳障りはいいけど、あんまり印象に残らなかったです。
二人の歌唱力でもっていた感じです。
でもだからこそ、Duetがほとんどないのもったいない。

なんだこれ、見て時間の無駄だった、ということはなかったけど、
でもせっかくの二人なんだからもっといいもの作ってよ、みたいな。
パティ・ルポン、この作品が最後でいいんでしょうか。


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