2022年観劇25本目:A Christmas Carol

12/6/2022 Tue 7pm
A Christmas Carol
Nederlander Theatre
Orch AA 112 $30+fee$5 Lottery

Jefferson Maysさんの一人芝居A Christmas Carolです。
確かコロナ中にこの収録が配信されたのですが、
ま、クロスマスキャロルだしな、と思ってパスしちゃったんですよね。
でも評判もいいし、一人芝居なのにオフの小さな舞台じゃなくて、
Broadwayのサイズの劇場でやっていることに興味があって見に行ってきました。

何がすごいって全部すごかった。
Maysさんの演技も、セットも、小道具も、照明も、映像も、音楽も。
Maysさんの演技あってこそですが、
それとシナジー効果を起こすセット、小道具、照明、映像、音楽。
一人芝居とは思えない豪華さです。(この映像で伝わるかな)
舞台ってここまでリッチに表現できるのか!と度肝を抜かれました。

状況の描写も、セリフもルイージの格好をしたMaysさんが話して
ストーリーを進めていきます。
そこに出てくるのが巨大なセット。
これはBroadwayサイズの劇場じゃないと実現できないですね。
舞台の袖から、後ろから、上から、大きなセットが出てきます。
まずこの大きさと豪華さに圧倒されます。

さらには照明、映像がすごい。
ゴースト感というか、非現実的なものに映像を使うのですがこれがいいんですよ。
最近ダンスと映像を混ぜて世界感を表現するのはよく見ますが、
それを舞台に転用した感じでした。
セットで表現できる物理的なものはセットで、
セットや小道具じゃ表現できないものに映像が使われていて、
きちんと棲み分けされていてように思います。
しかも映像は、ただのモノを映すものではなく、
あくまで想像力を補完するように使われていて、
線だったり、光だったり、形だったりが出てきて、
これらがこの世のものではないものを体験をしている様子を深めていました。
この映像や照明があるおかげで、Immersiveというわけではないけど、
ルイージが見ているものをそのまま観客も体験している感じでした。

ミュージカルなどで映像が多用されるとセットを考える手間を放棄したな、とか、
状況をいちいち映像で説明しなくていいよ、とか感じちゃうことが多いけど、
今回はセット、小道具、映像、照明、音楽がどれも欠かせないんですよ。
どこにも過多、過小がない。
こんな絶妙なバランスって実現するんだ。
これを実現しちゃうんだ、と観劇中は興奮しっぱなしでした。
なんかすごいものが目の前で起きているぞ、というワクワク感。

Maysさんの演じ分けはもうお手のものなわけですが、
表情やセリフの言い方がいい意味で大袈裟なのでわかりやすい。
そして最後、ルイージが変わる様子に涙が出てくる。
安堵と優しさと希望。
それまでずっと劇場も舞台上も暗く、緊張感とか恐怖に支配されるのですが、
最後の温かさと言ったら…。最後、ああ、見にきてよかった、と思う温かさです。

シラノのような全てを削ぎ落とした舞台というのもよかったけど、
こうやって作り込んで、舞台にあるものが全て調和する、
調和どころかシナジーを起こす、というのは、そうないと思います。
本当にいいものを見た。そう思える観劇でした。

 


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