2022年観劇7本目:Take Me Out

4/12/2022 Wed 7pm
Take Me Out
The Hayes Theater
Mezz C4 $39 + Fee $7.50 (TodayTix Rush)

今シーズン楽しみにしていたPlayの一つ、
Take Me OutのRushが取れたので見に行ってきました。

この作品、ヌードのシーンが出てくるので、
劇場に入るとすぐに携帯の電源を切るように言われ、
ロック付きの小さな袋に入れられます。
終演までロックを開けてくれないので要注意です。

さて、この作品、2003年にBroadwayで上演され、
そのときにトニー賞を獲っているそうです。
レビューを見てみると、ほんの少しセリフを変更しているみたいですが、
大きな変更はないんだとか。

舞台はメジャーリーグ。
ヤンキースをイメージさせるピンストライプのユニフォームに身を包んだ選手がいて、
主にロッカールーム、シャワールームでの会話で進んでいきます。
Jeterを彷彿とさせるDarrenが、
自分は優秀な選手だし、チームに必要とされている存在だし、
ゲイだとカミングアウトしても、
特に何もないだろうと思ってカミングアウトしたら、
混乱、歪み、不幸が待っていたという話。
スポーツ界におけるHomophobic、Racism、Muscularityなどを扱っています。

Darrenを演じるのはJesse Williams。
スター選手なだけあって、存在感があります。
カミングアウトしたあと、周りが色々言ってきても、
あんまり動揺しないというか、逆に言い返す強さがあると思って見ていたら、
実はすごく傷ついてた。

引退を考えていることを担当のAccountantであるJasonに電話で打ち明けたり、
チームメイトであるSkippyから電話がくると大粒の涙を流していて、
見ている側も胸が苦しい。
セリフではあまり心情を吐露することがないのですが、
寂しそうな辛そうな表情で全てが伝わってきました。

でもこの作品、ハイライトはJesse Tyler Ferguson。
ゲイのAccountant役なのですが、
担当しているDarrenがゲイだとカミングアウトしたことで、
初めて野球に興味を持つように。

初めて野球を見るようになったJasonが
野球を描写するシーンがいくつかあるのですが、
このセリフが素晴らしいのと、このシーンを演じるFergusonが素晴らしくてねぇ。
野球を球場で見ているときの興奮を、
こんなに素敵に、そして知的に描写することができる人がいるんですね。

Fergusonのこの描写のシーンは、モノローグなんですが、
引き込まれまくりました。すごかった。
そして野球にハマったJasonが
「小さいころ父親とキャッチボールしたことを思い出した(いや、やったことないけど)」
というセリフに爆笑しました。
今の若い世代は違うかもしれないけど、
私の世代やもう少し上は、やっぱり父親とはキャッチボールするのが
子どもの頃の思い出として共通なんですね。

ところでこの作品、Takeshi Kawabataという
ダイエーホークスから来たという日本人投手がいて、
役も日系人が演じているのですが…。
祖母は太平洋戦争中にキャンプに連行され、
広島や長崎にもたくさん親戚がいた、
野球は自分にとっては生きるか死ぬかなんだ、というセリフがあったのですが、
いや、この舞台、2002年の設定だよね?みたいな。
2002年ならMLBに渡る選手は皆、最高峰に挑戦してみたい、
という気持ちで来ていたと思うし、
全てが大袈裟っていうか、Samuraiをイメージしたセリフに加えて、
演じ方もなんか変で、ちょっと違和感がありました。

白人の教養のない選手が非白人の選手のことをColored Peopleと呼び、
他の国から来た選手のことを悪く言うのですが、
その一人に日本人がいるならまだしも、
この日本人役にだけなんか余計なセリフが与えられていて、そこはなんか興醒めだったかな。

ま、でもなんと言ってもこの作品はFergusonの野球の描写シーンですよ。
本当に素晴らしかった!


Related Posts

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *