2018年観劇21本目:Be More Chill

2018年9月23日(日) 7:30pm
Be More Chill
The Pershing Square Signature Center
A103 Lottery $29

7月から9月30日までの限定公演だったこの作品ですが、
すでに8月にはBroadway入りが決定。
ちょいちょい噂には聞いていて、
盛り上がりはなんとなく知っていましたが、
ロトに当たるでしょ~なんて呑気に構えていたら、
すごいことになっていましたね。
なんとかオフ公演中に見ることができてラッキーでした。


outcastな少年が、ルーザーからの脱出を図るという、という
あれ、どこかで聞いたことのあるようなストーリーですが、
紆余曲折を経て、自分の頭の中の声は、
自分の声であるべき、と気づくというストーリー。

大切なメッセージがありつつもコテコテのコメディでした。
あえて重々しくして疲れる作品より、こういう作品の方が好みです。
誰も不幸にならないし、ポジティブに終わるので、気分良く劇場を出られます。
セリフは少し少なめですが、でも音楽かけっぱなしの作品ではありません。

Act1は、設定や登場人物を説明する曲で始まり、
Act1の最後は主人公のソロ(モノローグ)。
Act2の最初は全員登場で明るく、
最後は全員で盛り上がりつつ、最後の最後は一人で前を向く、
というミュージカルの王道の形式をとっています。

かつ、脇の役にもきちんと設定があり、
多くの役が歌を持っていて、基本は主人公のJeremyの話だけど、
並行して、各々のキャラクターが出ているし、
各々の気持ちが動いていくのも見えるようになっています。
あとアンサンブルが中心になる曲もあって、こういうのは見ていて楽しいですね。

若い子が熱狂している作品なので、
内容とかエレクトロニックな音楽に目が行きがちかもしれないけど、
でも形式としては王道パターン。

始まる前から若い子がキャー!と叫び、
俳優が出てくるたびにキャーと叫ぶのでそれに頭が痛くなり、
またイマイチな演技がはじめに続いたので、
あんまり好きじゃないかもなぁと思ったのですが、
途中から心地よくストーリーに乗ることができました。

で、ちょいちょい出てくるNJネタや、
設定、衣装などの小ネタにもくすっと笑えます。
NJはこういう一流のB級作品を作るのに長けていますな(笑)

主役はWill Roland。
悪くないけど、もうちょっと演技か歌でインパクトがあるといいな。
せっかくのいい作品なんだから、もうちょっと印象に残って欲しい。
正直、他のキャラに負けてる。

Squip役はJason Tam。
If/ThenやLysistrata Jonesでも目立っていたけど、
今回は本人というより、衣装が素晴らしかった。
Squipがパワーを増すにつれ、衣装もラフなものから
手の込んだものになっていくんですよね。
特にAct1の最後の衣装の変化は秀逸で、
あの衣装の変化だけで、Squipのパワーを感じることができました。
Act2はドラゴンボールZを思い出す衣装のデザインで、ちょっとウケた(笑)

私が一番好きだったのはMichael役のGeorge Salazar。
出て来たときに、あれ?どっかで見たことあるぞ、と思ったら
Tick Tick Boomに出ていた彼ですね。
この人は派手さはないけど、確実に当ててくるいぶし銀の働きをします(笑)
2番バッターに置きたいタイプ←
Squipのせいでみるみる変わっていってしまう友人を見捨てずに
ずっと友達でいる役柄ですが、脇役だからと3枚目やお笑いに向かうのではなく、
役をきっちり演じてくれるし、ソロのMichael in the bathroomも、
一つの曲の中でしっかりとドラマになっていて、見ていてとても楽しかったです。

そして曲そのものが、いい意味で主役を喰う作りにはなっておらず、
かつ、キャラクターが深みを増すようにできていていました。
彼はオンにいったら賞レースに絡んでくるんじゃないかと思います。

好みもあるので、個人的にはきゃー、もう一度見たいー!
というものではなかったけど、見ることできてよかったです。
個人的には同じNJものだったら、Gettin’ The Band Back Togetherの方が
感情移入できたし、もっとバカバカしくて好きだったかな、と思うけど、
メッセージがありつつもコメディ、という枠では、
久しぶりに良いものを見たなぁと思います。


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