2017年観劇21本目:Bandstand

5月13日(土) 2pm
Bandstand
Bernard B Jacobs Theatre
RBox C1 $35 with Rさん

トニーの賞レースにさっぱり絡まなかったので、そんなにダメなのか、
まぁPaper Milleのときもそう評判良かったわけじゃないしなー、
トニー終わってから見に行ってもいいかなーなんて思っていたら、
そんなことはない!と教えていただいたので、
Rushをゲットして見に行ってきました。

雨の土曜日だったのですが、CFAもDEHも、
トニーのノミニーズが発表されるまでは
全然人が並ばなくなっていたCometにもたくさんの人が
Rush/SROに並んでいましたが、
Bandstandは割と簡単にRushがゲットできます。人少ないです(笑)

でも!
私はこれをベストミュージカルにしっかりと入れて欲しかった!


まず良かったのがストーリー。
一見、WWⅡのveteranたちが祖国に戻ってきて、
バンドを結成して成功するストーリーに見えますが、
裏のテーマがあって、それぞれがPTSDに苦しんでいる様子が描かれています。

ストーリーも兵士たちが戦場にいるところから始まるのですが、
国に戻ってきても戦場での様子がフラッシュバックするシーンが
織り込まれていました。

そのシーンが日常の何でもない、普通のシーンときに出てくるのですが、
それが余計、PTSDがどう人の精神状態を蝕むのかを表していました。

でもほら戦争ってこんなに残酷でしょ、
ダメなことでしょ、って直接言うわけではなく、
あくまでメインのストーリーはバンド活動で、
これを軸にバンド内、家族との人間模様が繰り広げられていました。

音楽は、当時のSwingを表現しているだけでなく、
それを実際に出演者が演奏する、というのも見どころです。
出演者が楽器で演奏する手法は別に珍しくないけど、
それでも一流に歌えて踊れて演技ができて、
更に楽器も弾ける人がBroadwayにはわんさかいるんだからさすがですね。

バンドとしての音楽も聞きごたえがあるし、
もちろん心情を描く曲やストーリーを進める曲もしっかりあり、
曲のバリエーションも幅広かったです。

A Band in New Yorkは、割と長い曲だったと思うのですが、
バンドがNYに向かう様子が、振付やセットのユニークさも相まって、
こういう曲好きだなーと思って印象に残りました。

そして振付も良かった!

Swingの持つスピード感や跳ねる感じを表したのでしょうか。
セットを組むことで、舞台の上手下手ではなく、出演者が舞台後方から斜めに、
角度を付けて舞台に出てくるような恰好になるのですが、
その出てくるときのスピードが、
舞台袖から出てくるのとは全然違うのですよ。

例えばその斜めの出入り口から床を使って滑り込むように
舞台に出てくるのですが、スピードがあって、
それが場面転換にとっても有効で、テンポよく場面が進んでいきます。

また小さなセットはアンサンブルがダンスの振付に合わせて動かすので、
その動きもユニークだし、ダンスそのものにも見ごたえがありました。
Andy Blankenbuehlerの振付って、ITHのときもおおーーーーと思ったけど、
今回はITHとは全然違う別の魅力があるし、洗練されているし、
振付や人の動かし方がユニークだし、スピード感も爽快でした。

出演者に関しては、
Corey Cottを是非とも主演枠でノミネートして欲しかった!
Lauraも割と出演シーンは多いし重要な役だけど、
Coreyが主演といっても過言ではないぐらい、彼が中心です。
確かに今年はこの枠が激戦だけど、でも彼は上位3位には入ると思うし、
彼の熱演を見るだけでも、価値があると思う。

そしてLauraもこれまで割と我が強いキャラが多かったけど、
でもこういう一歩引いたような役も合うんですね。

そしてまた脇役たちもいい味出してるんですよねぇ。
楽器ができるだけじゃなくて、それぞれの役に特長があって。
誰かが抜きん出て目立つわけではないけど、
全体のバランスがとっても良い!

それなのになんでトニーにはこれだけ無視されてしまったんだ!!
でも今シーズンの中で私的にはだいぶ順位が上なので、
もう一度見に行きたいなぁと思っています。


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