2016年観劇33本目:In Transit

11月15日(火) 8pm
In Transit
Circle in the Square Theatre
F222 Comp

コンプチケットを頂きまして
プレビューが最近はじまったばかりの
In Transitを見て来ました。

見に行く前に調べたのですが、
もともとは2010年にオフで行われていたんですね。
オフの映像を見たら、え…って感じだったのですが、
オンにあがるときに演出・振付が私が好きな
Kathleen Marshallになったんですよね(確か)
なので映像とは大幅に変わっているだろうと期待していました。

Pitch PerfectとFrozenの融合、みたいな宣伝文句ですが、
Pitch PerfectのMusic Directorと
FrozenのSong Writerが制作に関わっています。
Intermissionなしの95分一幕もの。
Bway初のアカペラミュージカルという謳い文句で、
NYの地下鉄を舞台に、11人の人生が少しずつ絡まる話です。

想像していたよりだいぶおもしろかったです。
いや、ここはなぁと思った部分はあるのですよ。
せっかくメインキャラの人生がいいテンポで進んでいくのに、
ボイパ担当のストリートミュージシャン役が

時々第四の壁を壊して観客に話しかけたり、
話に関係ない技術を見せつけるパフォ重視のところがあって、
流れをばっさりと切るんですよね。
ストーリーに入り込んでたのに、
べりべりべりっと無理やりそこから引き剥がされる感があってね。
それが個人的にはとても嫌だったのですが、
(ってかあのボイパ見せつけパフォを全て切り取ってしまいたい)
でもそれを除いたストーリー部分はとても楽しめました。

どのキャラクターも珍しい設定ではなく、
ありがちっちゃありがちなものなんだけど、
自分とは全然違うキャラクターなのに、
どのキャラにもわかるわーその気持ち、っていう部分があるし
地下鉄ネタも、一度でもNYの地下鉄に乗ったことのある人だったら
この状況わかるww って笑えるし、誰でも楽しめる作品なのがいい感じです。

アカペラだからもちろん楽器演奏がなく、音の厚みは確かにないんだけど、
でもアカペラだからって音が薄いとか、インパクトがないというわけじゃなく。
曲にバリエーションがあったように思います。
あと、最初not there yetから始まって、最後にgetting thereで終わるし、
ストーリーも全体的に予定調和ではあるんだけど、
地下鉄と人生をかけてるのがわかりやすいし、
地下鉄に乗るがごとく、ただ流れに身を任せて見ていけばいいというか、
ボイパのところさけ除けば、スムーズに話が進むので見やすかったです。

そして、みんな上手ね。
ラップ部分はがんばれーなところもあったけど、
メインキャラは誰もが歌でも演技でも魅せてくれます。
Jane役のMargo Seibertとか、
Rockyでもだいぶいい感じだったけど、今回も素敵。
私、彼女の歌声、結構好きなんですよね。
あとAli役のErin Mackeyも、James SnyderもTellyもJustin Guariniも
それぞれ見せ場があるんだけど、皆一様に上手。
一人二人上手い人をキャスティングするのはそう難しくないだろうけど、
ここまでキャラクターが立って、それぞれ違うけど、
皆が上手いって、やっぱりNYだからできるんだろな、と思ったりしました。

あとちょいちょい今ネタが入っているのもおもしろかったです。

セットは地下鉄のホーム。
真ん中にベルトコンベアがあって、そこに地下鉄の1,3とかRとかで
使われている椅子が出て来て、セットとして動きます。
Fun Homeはセットを床の下に降ろしていたけど、
今回はベルトコンベアで前後に動かします。
セットが大きくないから出し入れもスピード感があるし、
ある程度、観客が情景をイメージする余地を残してくれているので、
イメージすると同時に、自分を振り返る隙間もあって、
割と出演者に自分を重ねることができました。

で、必ずしも全員がハッピーエンドじゃないのも、NYらしいというか。
でもだからこそ、NYにいる意味があるのかな、と思ったり。
セリフにもあったけど、ここはよりよりものを目指して、
ずーっと歩み続けるところだって言ってたんだけど、
まぁNYだけとは限らないことではあるけど、
今まさに自分がそんな感じだから、余計ぐっときたり。
あ、でも一応言っておくと、ランナーのくだりは私とはリンクしないよ(笑)

プレビュー3,4日目だったので、
あと5分は短くなるかなとは思ったけど、
これはどうプレビュー中に変わるのかな。

最近では珍しいオリジナルミュージカルだし、
話がややこしいわけじゃないし、
がははと笑うコメディではないけど、クスっと笑えるところはあるし、
とても楽しめました。


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