2016年観劇3本目:Allegiance

2月4日(木)
Allegiance
Longacre Theatre
L8 comp with Kさん

ツイッターキャンペーンに当たって
compチケットを頂きまして、見に行ってきました。
アッシャーからPlaybillをもらう時に、
GeorgeTakeiからのメッセージです、と言われたんだけど、
プレイビルの間にa note of thanksという
彼からのメッセージが書かれた紙が挟まっていました。


正直、テーマがどうのこうのじゃなくて、
作品としてやっぱりちょっと退屈だった、という気がします。

なんかね、教科書を読んで、歴史の勉強をしている感じでした。
全体的に歴史的背景の説明に時間を多く割いていて、
史実を伝えるのがメインなのか、
戦争/迫害に翻弄された家族の話がメインなのか、
軸はどっちなんだろう、と見えてしまいました。
まぁ前者がメインだったんだろうけど。
なんかちょっと某劇団の李香蘭を思い出しました。

戦争が舞台の作品は多いけど、それって戦争が舞台なだけで、
訴えていることは戦争の中身じゃなく
humanityだったりloveだったりで、
だからこそ戦争が引き起こす悲惨さが際立ったけど、
今回は伝えたいことが多すぎて煩雑になってしまった感じがします。
説明が多いためか、ミュージカルになると(曲に入ると)、
ぶつっと流れが止まるっていう印象だったなぁ。

とは言っても、この作品で扱っている
歴史的事実を知らない人が多いんだから、
説明的要素が多くなるのは仕方ないんですよね。
アフリカンアメリカンの歴史はこれまでいくつも映画や舞台になっているから、
ある程度背景の説明をはしょってもストーリーが繋がっていくけど、
アジア系アメリカ人、日系アメリカ人の話って
これまで特にフューチャーされてこなかったから、
観客がストーリーの前提条件を知らないんだもん。
そりゃ説明過多になっちゃいますよね。

なので、この作品をきっかけに
アジア系アメリカンのストーリーが
多く描かれるようになればいいなと思いました。
そしたら、わざわざ歴史的背景を説明しなくても
成り立つようになるしね。

曲は俳優が歌う曲は長ったらしくて退屈なものが多かったですが、
(全体的にもうちょっと短くしても良かったと思う)
バックで流れる音楽は和と洋がうまく交じり合っていて、
そのバランスがとてもいいなと思いました。
自分も含めてだけど、日本人って日本っていいでしょ、
って和の良さを強調しがちだけど、
バックの音楽はいい塩梅に調和されていました。
日系アメリカ人が日本とアメリカのいいところを
調和させていったのが、この音楽に現れていた気がします。

俳優は、Leaがだいぶどすこいな体型で、
小走りでハケるところは「どすどすどす」と
まるで漫画のように文字が浮かんできそうなほど迫力があったけど、
歌がスムーズというか、話すのの延長が歌、という感じの人ですよね。
高い音でもすーっと聞こえてくるのがすごいです。
TellyはRentツアー以来でしたが、
悩める青年で、かつ、頑固な感じがとても良かったです。
ジョージ・タケイも、おじいちゃんらしく、
ちょっとおとぼけなところもあれば、
大切なことを伝える役だったりして、チャーミングでした。
お父さん役の俳優さんはオペラ系がメインの人なんですかね。
歌詞がやや聞き取りづらかったけど、日本の古いお父さんって感じでした。
ただ家族の他の3人と比べて曲が少ないので、
忠誠登録のシーンや、Sammyが戦争から帰ってきて、
お姉ちゃんとFrankieが結婚していると知ったあたりの
お父さんの心情がもうちょっとわかりやすく
表現されていても良かったかなーと思ったりもしました。
なんかここはすごくもったいない気がした!!

もう一度見たい!!と思える作品ではなかったし、
最後は泣けーっと言われているようで
ちょっと入り込めないところもあったけど、
戦争とか差別は、コミュニティーや家族を
バラバラにしてしまうものだから、
なんか安直な言い方しかできないけど、
相容れないことがあったとしても違いを認めて、
生活が自分の意思とは違うところで左右されない
世界がくるといいな、と、そんなことを思ったりしました。


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