2/20/2022 Sun 2pm
MJ The Musical
Neil Simon Theatre
Box L C1
$35+$4(fee) Lottery
10回強ロトに応募して当たりました。
が、まさかのMJがアンダー！
批評はややいまいちだったけど、主演についてはポジティブな意見が多かったから、
見てみたいと思っていたんだけどねぇ。
でも、主役がアンダーでも楽しめました。
これまで歌手の半生を描いた作品はたくさんありましたが、
ここまで迫力があったのは初めて。
音がめちゃくちゃカッコよかった！
ミュージカルというより、ショーとして見応えがありました。
この作品はMichael Jacksonの92年に行われた
Dangerousツアーを作り上げ行くリハの様子が中心に描かれています。
リハの様子を取材するクルー（リポーターとカメラ）がいて、
取材は音楽にフォーカスしてくれと言われるんだけど、
リポーターが音楽をフォーカスするためには
マイケルの過去、特に父親との関係が肝になると見て、
少しずつ探っていくのと同時に、舞台上でも過去がフラッシュバックします。
マイケルの曲は、フラッシュバックのシーンや、心情を語るのに使われます。
心情を語るのは、無理やり歌詞につなげたせいで、
ところどころ歌へのトランジションがスムーズではないのですが、
でもパフォーマンスになっている曲のところはかっこいい！
特にAct1の最後の記者会見のところ、
Act2の最初のパフォに特化したところ、
thrillerはぐっと見入ってしまうシーンでした。
この作品のElectronic music designerのヒロさんが
制作過程の裏話をしてくださったことがあったのですが、
80年代の曲を使った90年代のコンサートの話を2022年の音で再現する、
という不可能に近いミッションを成し遂げられたそうです。
マイケルの曲は全然色褪せないなぁと思って作品を見ていたのですが、
実は色褪せないように聞かせる工夫や技がしっかり詰まっていたんですね。
マイケル本人について、実はあまりよく知らなくて、
有名な曲は知っているけど、しっかりと聞いたことがなかったので、
この作品を見た後Spotifyで聞いてみたのですが、今聞くと音が古い。
でも舞台での音楽は、今、というか、今より半歩先、という感じで、
当時マイケルを聴いていた人は、こんな風に感じていたのかなと思いました。
また今回はサウンドシステムもすごいものを入れているらしく、
久しぶりに音を体で感じることができました。
劇場によっては音がなんかどこか遠くで鳴っているだけ、という印象があるけど、
今回はImmersiveな感じもするサウンドシステムでした。
そしてバンドがすごい！
批評ではマイケルの負の部分に触れていないのは違和感があると言われていましたが、
92年に設定することで、その後のchild sexual abuseに関する告発が出てきません。
ただすでに私生活を追いかけ回される存在ではあったので、
オフステージが自分のものではなくなった、
「ステージだけが唯一自分を表現できる場所」というセリフがあり、
このコンサートに命をかけていた様子にフォーカスが当たって、
この設定は作品を作る上でよかったんじゃないかなと思います。
割と実際の人物を題材にすると、
栄光も挫折も、あれもこれもと詰め込みすぎて、
それを全部追うだけで終わってしまう作品も多いけど、
今回は主となる場面が決まっていたので、見やすかったです。
マイケル役はU/Sだったからか、というか、
マイケルが凄すぎるので、歌も踊りも少し物足りなさがありましたが、
演技はmodestな感じが出ていたし、
またコンサートに命をかけるが故に頑固だったり、
父親からの呪縛から逃れるように完璧を目指す様子が痛々しくもあり、
でもどこかライカブルでもあり、不思議な魅力がありました。
あと、リハを取り仕切っているマネージャーかな、Robという役(味方)と、
マイケルの父親(敵)を同一人物が演じていたのですが、これがよかったな。
お父さんを一人の人が演じていたら、結構後味が悪かったかも。
Robも一緒に人が演じることで、
味方の部分が敵の部分をオフセットしてくれていたように思います。
セットは割とシンプル。
バックに少し映像を使っていましたが、ガチャガチャとしていなかったし、
映像を使うことで説明過多になることもなかったし、私は好きでした。
パフォーマンス、というか、この豪華な音を楽しむために
もう一度見に行きたいなぁと思っているところです。
