2020年観劇2本目 : Darling Grenadine

2020/2/14 Fri 7pm
Darling Grenadine
Black Box Theatre
$30 GA

RoundaboutのBlack Box Theatreで
数日前にオープンを迎えたDarling Grenadineを見てきました。
俳優を360度囲む形で観客が座るスタイル。
席は決まっておらず、GAです。

割と早い段階で完売になっていたのですが、
ちょいちょいサイトを見ていると、少しだけチケットが買える日が出てきて、
たまたま見つかったこの日のチケットを買いました。


ストーリーはソングライターのHarry(Adam Kantor)と
Broadwayのアンサンブル(主役のU/Sも兼ねている)Louise(Emily Walton)の
Boy meets Girlのものでした。
Harryの弟にJay Armstrong Johnson、
あとその他の役を兼ねる男女が1名ずつと、トランペットが1名。
舞台はNYの今。

Goodspeed Opera HouseとシカゴのMarriott Theaterで上演して、
そして今回NYデビューだそうです。

Harryが一番最初に客席から立ち上がり、Helloと話を始め、
ここで客が360度で座っていた意味=サポートセンターという設定、
ということがわかります。

サポートセンターから舞台は3年前の秋へ。
Harryの物語を皆で見て(聞いて)いきます。

Emojilandの時にも言ったけど、
最近はオリジナル作品かつオリジナル楽曲というだけで
応援したくなりますね(笑)

主人公のStep BrotherのPaulがバーを運営していて
(でも出資はHarry。どこからそんなお金が出てくるのか…)
Harryがバーで歌う、というシーンがいくつかあったので、
曲の中にはストーリーを動かすための曲、ではないものもいくつかったけど、
最近にしては珍しく、ザ・ラブストーリーを描いていて、
歌も歌詞もいいなーと思うものはあったし、
曲への入り方は割とスムーズだったと思います。
また、Louiseが出演しているPARADISEというミュージカルの
劇中劇の曲もいくつかあったのですが、
これがメインのストーリーとの曲調とは全然違って、
この作品を作ったDaniel Zaitchik氏の
才能のショーケースのようでもあったように感じました。

そして出演者が上手だったのもよかったです。
Adam Kantor、仕事絶えないよねぇ。
Jayは脇役だったのでソロはないのですが、
演技面でとっても目立っていました。
その他の男性、女性を演じていた二人も個性的だった。
あと、犬をトランペットの音で表現する、ということをしていたのですが、
このトランペットの使い方がなかなかおもしろかったです。
(そして最後は本物の犬が出てくるのですが、
犬に意識がいっちゃって、ストーリーの結末を忘れるところでした)

ただ現在のNYが舞台だと考えると、
ちょっとナイーブすぎる展開だったかな。
HarryとLouiseのラブストーリーが最初は甘すぎだし、
結局はHarryのDrinking Problemがもとで別れてしまうのですが、
このDrinking Problemの描き方がちょっと雑で、
結局主人公のどちらにも共感できないまま終わってしまいました。

この作品は脚本もZaitchikさんが書いたそうですが、
どこかの批評でこのトリプルスレットはあぶない、と書いていたけど、
第三者が入った方が、何か良い方向に改善されるんじゃないかなと思いました。
これも入れたい、あれも入れたい、という感じがあったので、
もう少しすっきりできたんじゃないかなと思います。

いや、でも、今どきオリジナル、
しかもバリバリのラブストーリーで作り上げるんだから、
Zaitchik氏には注目しておこうと思います。
さすがにこれがOff-OffからOnに行くことはないと思うけど、
(100人程度の劇場だからこそのIntimacyだったし)
映画やアルバムが元じゃないラブストーリーを
今後も作ってくれるといいなぁ。


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