2019年観劇19本目 : Fiddler on the Roof in Yiddish

9/28/2019 Sat 2pm
Fiddler on the Roof in Yiddish
Stage 42
L110 $30+fee

もう始まって1年経っていますがやっと見てきました。
NY観劇旅行中だったKさんと席は別々でしたが、
共にToday TixのRushでチケットを買いました。

Fiddlerは今回で見るのが3回目。
数年前に全米ツアー版(Harvey Fiersteinが主演)をサンフランシスコで見て、
2, 3年前のリバイバルを見て、そして今回。

話はもちろん知っているし、どういう曲なのかも知っているので、
ここは演じ方が前に見たものと違うなぁとか、
今回はこういう演出なんだーと違いを楽しむことができた一方で、
言葉がYiddishだからなのか、
初めての作品を見ているような気にもなりました。


アメリカでこの作品はもう何度も上演されていますが、
Yiddish版での上演は初めてとのこと。
何を言わんとしているシーンかはわかるけど、
何を言っているかの詳細はわかりません。
最初は字幕を追わなきゃいけないことにストレスも感じたけど、
だんだんとセリフを言う速度、強さ、息遣い、間に慣れてくると、
言葉そのものはわからなくても、なんだか伝わってくるものがあって。

今回の場合はその人たちの言葉、で見たからこそ、
伝わってくるものもあったなぁと。
もちろん、話の内容を知っていたからという前提があったうえなので、
これが初見の話だったら、まったく違う経験になったと思うのですが。

またこの日はTavyeがU/Sだったのですが、
尊厳がありつつも、とても素朴なお父さんでした。
勤勉で、思慮深く、慕われているけど、だからと言ってリーダー格というわけではなく、
どこにでもいそうなお父さん。
なので、ロシア側の将校が、少し攻撃するよ、と教えてあげたいほど、
何か特別な魅力があったかというと「?」なのですが、
でも、賢くも振る舞い、時々おバカなこともする、とても人間らしいTavyeでした。

また、これまでTavyeは愛もあるけど、娘には甘い、という印象があったのですが、
このお父さんは、たとえ息子が同じことをしても認めてあげたんじゃないかなと感じました。
娘への甘さが勝って、娘の結婚を許したわけでなく、
伝統と新しい価値観の両方を考えたうえでの判断、という様子が出ていました。
ただの娘に甘いお父さんじゃなかった。
そういうシーンがあったのもあって、
一家がAnatevkaを去るところにChavaが来て、TavyeがTzeitel経由で
God be with youというところは、父親としての愛を強く感じることができました。

あと印象に残ったのはJackie Hoffman。
特に踊るところはやる気があるんだかないんだか、
それとも体力がないのか、ただふらーっとしている感じでしたが(笑)
隣人愛があったし、コメディエンヌとしての存在感は抜群だし、
やっぱりベテランの演技は見ていておもしろいですね。

ただ一つだけ違和感があったのがバイオリン弾きの使い方。
女性がバイオリン弾きをやっていたけど、
「伝統」が出てくるシーンになると、舞台に出てくるという演出でしたが、
結婚式での彼女の使い方がちょっとおかしくてね。
Perchikがロープを跨ぐ前に、彼女がバイオリンを弾きながら
ロープを跨いで男性側、女性側を勝手に行き来しちゃていたのです。
伝統の象徴だから、実際の人物ではないことはわかるんだけど、
でもやっぱり見ている方からしたら違和感あり。
ここのシーンは、最初にロープを跨ぐのはPerchikであって欲しかったな。

それにしても年をとったんですかね。
Act1のバーのシーンで、ユダヤ人とロシア人が一緒にTavyeの
お祝いをして踊るところで、これから起こることを思って泣けてきました。
なんならAct2より泣いたかもしれない。

公演は何度か延長されていますが、今のところ来年1月5日まで。
Broadwayの派手なものとは違う、シンプルな作りでしたが、
これまでと全く違うFiddlerで見に行って良かったです。


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