2023年観劇12本目: The Light in the Piazza

06/25/2023 Sun 2pm
The Light in the Piazza
New York City Center
Balconly K114 $35+fee$10

NYCCのアンコールシリーズの一つであるThe Light in the Piazzaです。
2005年のBroadway公演のときに、トニー賞のパフォーマンスを見ましたが、
あまりロングランではなかったので実際には見られず。
見たことはないけど知っている作品、だったので見てみたいと思っていました。
余談ですが、この作品でトニー賞助演賞を獲ったVictoria Clarkも
Clara役だったKelli O’Haraも、競争の激しい世界で
今も第一線で活躍しているのがすごいですね。

MargaretとClaraにアジア系をキャスティングして、
アジア系が感じる疎外感も示した、と評するレビューもありましたが、
私的にそれは「?」という感じ。
二人が話す英語をイタリア人が話してコミュニケーションを取ろうとするし、
夫婦間、親子間の孤独はあるけど、それは人種には関係ない。
無理に関係ないところに人種の話を持ち込む必要はありません。
ただシンプルに二人がうまいからキャスティングされた、でいいと思うんですけどね。

どうでもいい話は置いておいて、もうこの作品の特筆すべき点は
Ruthie Ann Milesのうまさ。
障害がある娘を守ろうとする気持ち、一方でそれを意識することなく接する様子など、
母としての強さや葛藤がすーっと伝わってきます。

でもそれよりも目立っていたのが彼女の知的さ。
数十年前なら母は知的さより、母としての優しさが強調されたと思うのですが、
精神的、マインド的に独立していて、インテリジェンスな母親像でした。
2023年の母親像という感じ。
彼女のパーソナリティなのか、演技なのかわかりませんが、
知的、という言葉がぴったりなMargaretでした。

そしてまぁ歌が上手いんだわ。
抑えて心の底を表現するところ、響かせて感情を強く表現するところ、
とにかく表現の仕方が豊富。さすがです。
彼女主演で別のミュージカルをやってくることを希望。
こういうタレントはもっと活用しないと、Broadway界の損です(笑)

そうそう。ツイッターでもちょっと話題になっていましたが、
カーテンコールで、ここは役ではなく本人としてお辞儀をしていると思うのですが、
この退場の仕方がすごく印象的で。

なんで振り向いたか聞いて見たい気もするけど、
彼女を振り向かせる何か思いがあったんだろうなと思うとグッときます。

他に印象的だったのは相手のお父さん。
なんか色気があったんですよね。
Margaretがなびいてしまうのもわかる(笑)
あとITHに出ていたAndréa Burnsが相変わらずの肝っ玉っぷりでそれも良い感じでした。

若い俳優たちは上手いんだけど、どの曲も大声で歌いましょう選手権になってしまっていて、
それがちょっと耳障りでした。
そこは大きな声でベルトする必要があるんだろうか、と思うことが多々ありました。
もうちょっとそこは演出してあげないとーという感じ。

この前Youtubeで雑談魂を見ていたら、ムネリンが最近は
野球が「速い球を投げましょう選手権」になっている、
野球は「アウトをとる選手権だ」と言っていたのですが、ミュージカルも同じ。
大声でベルトしよう選手権ではなく、ストーリーを伝える選手権だからね。

観客も最初は盛り上がっていたけど、だんだん大声選手権に飽きてきたのか、
拍手が小さくなっていっていたように思います。
私の隣に座った男性は途中から拍手もしなくなった(笑)

それにしてもこの作品、トニーでオリジナルスコアを獲っていますが、
とてもきれいな曲が並んでますね。
OBC聞いてみようかなと思っています。


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