2023年観劇9本目: & Juliet

06/06/2023 Tue 7pm
& Juliet
Stephen Sondheim Theatre
Orch D13 Today Tix Rush

Today TixのRushがやっと取れました。
West Endで話題になっていたし、
Broadway版はトロントでトライアウトもやっていたし、
いろんなところから内容については漏れ聞こえていたので、
期待値はそんなに高めではありませんでした。

でも思ったよりもおもしろかった!

まず既存曲を使っているのに、Jukeboxにありがちな
「この曲、ちょっとストーリーに当てはめるのには無理があるでしょ」
と思うことがあまりなかったこと。
(ただ、脚本的にはShakespeareとAnneの話にもう少し捻りが欲しかったかな)

ソングライターのMax Martinの曲を使った、というのがうまかったですね。
一人の歌手の曲のみにフォーカスすると、曲の幅が狭まりますが、
ソングライターの場合、楽曲の提供先が多様だから、メロディーのタイプや歌詞も多様。
(Beautifulもキャロル・キングが作った曲と歌った曲を活用していたから幅がありましたよね)

あとは、これは私があんまりこの世代のアメリカのポップスを聞いていなかったから、
というのも大きいですが、メロディーは知っていたけど、
この歌詞ってよくよく聞くとこんな心情を歌ってるんだ、と
新たな発見が多くて、それもまた楽しく見られた要因でした。

あと脚本が説教くさくなかったのが良かった。
Empowermentとか、自分らしく、というメッセージって
ド直球なセリフになりがちで、別に道徳のビデオ見てるんじゃないんだけどな、
と思うことがありますが、それがなかった。
Shakespeareがロミオとジュリエットを初めて公開する、
そこにAnneが入ってきて、別の方向を模索する、という設定が良く、
見ている人も含めて全員で、自分で道を決めるってどういうことだっけと
探索している感じになっていました。
巡りめぐって、ロミオとジュリエットが
ファーストデートから始めましょうというオチが良かったし、
じわじわっとメッセージが伝わるのがいい塩梅でした。

もう一つ特筆すべき点は出演者が多様だったこと。
時々、申し訳なさ程度にアジア人が一人アンサンブルに入れられているのはよく見るけど、
今回はブラック、ブラウンだけでなく、アジア人も多め。
性的にもダイバーシティ。
マイノリティーに下駄をはかせるのではなく、マジョリティーの下駄を脱がせたら
こういうキャスティングになるんだろうな、という印象でした。
もちろん人種やセクシュアリティをテーマにした作品だったら、
それに沿ったキャスティングをすることが大事ですが、
& Julietは偏らないことを目指して構成されていたように思います。

テーマは今っぽい、衣装がかわいい、
セットもまあまあ派手、曲は既存曲だけど幅が広い、
ダンスも人数がいるから迫力が出る、といい面が多く、
若い人、劇場ライト層から、年配、ヘビー層まで楽しめる作品でした。
トニー賞が獲れなかったことからもわかるように、
ベストな作品ではないけど、でも見てよかったね、って思える作品でした。

そしてこれ、私はBetsyのコメディエンヌっぷりが作品を支えている感じがしました。
表情の作り方、間の取り方が最高。
でもドラマな部分は涙を浮かべて演技をしていて緊張感が出ていました。
若い俳優が多いのもあって、Betsyの安定感が光ってました。

Juliet役の子は喉が強い。
迫力のある歌い方で、うまいなぁと楽しめます。
Starkは…ちょっとズレてるっていうかコメディできないね、という感じでしたが、
久しぶりに見られてよかったよ、うん。
(ちょいちょい痛々しい気持ちになるのでもうちょっと頑張って欲しいです。
コメディできない感じがなんかAdamみを感じるのですよね…)
May役は評判を聞いていたほどではなかったかな。

そうそう、アンサンブルにいたJoomin Hwangという韓国出身の俳優がいたのですが、
彼がアンサンブルの中で目立っていました。
FrancoisのU/Sで、彼がプリンシパルデビューしたときの
カーテンコールの動画を見ていたのもあって、
少し注目していたのですが、なんかオーラがあったというかいい感じだった。
調べたらThe Promでも見ていたらしいんですが、あれはね、作品がね。
見た目もいいし、単身母国から乗り込んできたのもシンパシーを感じるし、
今後注目したいと思います。

あ、あとSzotさんが久しぶりに見られたのもよかった。
オペラ風ポップスでした(笑)


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