2023年観劇1本目:Sunset Boulevard

02/06/2023 Mon 7pm
Sunset Boulevard
Kennedy Center Eisenhower Theater
Orch Y121 $89 + Fee

ケネディセンターで1週間だけ公演の
Stephanie J. Block主演Sunset Blouvardを見てきました。
急遽見に行けることが決まり、チケットを直前に買ったので、
オーケストラ席の最終列でした。

2017年に見たコンサート版のようなBwayリバイバル
あんまり良くなかったのでほぼ記憶がありません。
でもこのNorma役をSJBさんがやればすごいはず、と期待値大で劇場に向かいました。

SJBさん、すごすぎた。想像以上。

まず演技。
Normaって老いぼれて、過去の栄光の中で生きていている人ですが、
完全に浮世離れしていたら現実性がなくなり、
気が狂っちゃった人ね、と見えてしまいます。
難しい役どころのはずですが、
SJBさんのNormaは絶妙に現実と幻想の間にいて、それがなんだかリアル。
あと半歩ズレたら均衡が破れてしまいそうな、そんな綱渡りを見ているようでした。
だけどお騒がせ芸能人のような面倒くささもないし、
こんな人現実にはいないでしょ、という嘘くささもありません。

そのリアルさを支えていたのが、SJBさんのNormaの可憐さでした。
イタい人ではあるんだけど、映画への愛、男性への愛は、
歪んだものではなく、ストレートで一途。
昔はみんなに愛されて、みんなを愛していた人なんだろうな、
というNormaの歴史が見えるようでした。
愛らしいからこそ、MaxはNormaを見捨てられなかったんだよね、
と納得性がありました。

あと、前の観劇のイメージからか、
Normaってなんか不機嫌というか、怒っているというか、
負の感情のイメージがあったんだけど、
SJBさんがやると「陽」が滲み出ていた。
ちょいちょいコメディな間や動きで、クスっと笑えるところもあって、
それがより可憐さ要素を際立たせていました。

そして何よりすごかったのは歌。
SJBさんの声はもともと美しいというか、耳馴染みする声だけど、
そこに迫力とか、些細な感情が入ると、もう鬼に金棒という以外ありません。
特にAct1のWith One Lookに鳥肌が立ったー。
舞台見ながら鳥肌立ったのってもしかしたら今回が始めてかも。
Act2のAs If We Never Say Goodbyeでスタオベだったけど、
むしろ私はこのWith One Lookでスタオベがしたいぐらいでした。

この日が2023年の初観劇だったけど、
もう今年のベストパフォーマンスはSJBさんで決定です。
この人、Divaからおばさんから、
シリアスからコメディから、なんでもできちゃいますね。
すごすぎです。

全体の感想も少し。
セットの階段がだいぶちゃっちく…。
1週間の公演だからお金がかけられないのはわかるけど、
なんか体育館の裏に設置されていそうで、重厚感ゼロだった。
シャンデリアも、Home Depotで買ってきたっぽい、
と書いていた人がいたけど、その通りだった(笑)

あと、歌えない俳優が多かったのが残念。
特にモアナは高音になると声出ない、音が外れる…。
アンサンブルも音を外す人が多く、もうちょっとちゃんとして欲しかったな。
Derekは可もなく不可もなく。
あんまりキャラクターが見えなかったのと、
モアナと歌うとそれに引っ張られるのか、音がズレるのが気になった。
一人で歌っているときはいいんだけどねぇ。

2017年にリバイバルをBwayでやったから、
しばらくBwayでのリバイバルはないだろうけど、
もしやる機会があればまたぜひSJBさんで。
いいセットといい俳優を揃えてぜひもう一度!
この素晴らしさを1週間のみで留めておくのはもったいないです。


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