2022年観劇19本目:Parade

11/1/2022 Tue 6pm
Parade
New York City Center
Balcony H124 $35+ fee $10

Into The Woodsを売り出した頃まで、バルコニーは一律$35だったのに
前列は値段があがったし、手数料も値上がりしました。
最近のNYCCシリーズは、あまり知られていない昔の作品をやる、から、
有名な作品をやる、Bwayのトライアウトの位置付け、みたいな感じに変わっていて、
強気の値段設定になっています。

Paradeは作品の内容は知っていましたが、見るのは初めて。
以前リンカーンセンターで行われたJeremy Jordan主演の
コンサートバージョンは見に行かなかったんですよね。

今回、舞台上に3段階の高さのセットを組んでいたのですが、大きい劇場向けのセットですね。
バルコニー席でも高さの違いがわかるので見やすかったです。
オケの後ろに映像を流していて、バルコニーからは見えずでしたが、
3段目の箱の側面に一部映像を映していたので、なんとなく奥の映像の内容はわかりました。
そして予想通り(笑)、JRBが指揮です。

全体な印象としては、わりとスルーっと進んでいったな、でした。
もっとLeoは無罪でしょ、と当然のように見えたり、
反対に周りの欲望、思惑が胸糞悪く強調されるのかと思ったけど、
特に前半は思ったほどのLeoと周りの差がなく見えました。

でもこれが狙いだったのかなと思ったり。

なんとなく違和感はあるけど、でも声を大にしておかしいよ!とは言えない感じ。
特にCome Up to My OfficeのBenPの演技が、
絶対Leoはこういうことやらないでしょ、というものではなく、
もしかしたら本当はこんなことがあったのかもしれない、
と思ってしまうような演技だったんですよね。
最初はなんでBenPは、Leoというキャラクターでは絶対あり得ないでっち上げでしょ、
と見えるように演じないんだろうと思ったんだけど、
だんだんと、これはわざとそうやっているのかなと思うようになりました。

Act1は、Leoはやっていないでしょ!と確信が持てるほどではなく、
またLeo以外の私利私欲に巻き込まれる気持ち悪さもないし、気味の悪さもない。
少し違和感はあるけど、何かが強引に進んでいく様子ではない。
だけど実は水面下で正義とは反対の方向に淡々と進んでいく、
という見え方は、すごくリアリティがありました。

そして最後のリンチのシーンも、あっという間に終わってしまった。
さらっとLeoは殺されてしまった。

これまでに別のプロダクションを見ている人はまた違った感想を持ったと思うんだけど、
ストーリーの流れだけ知っていて、初めて作品を見た私としては、
もっと「悪」側がエグく描かれると思っていたので意外でした。
「こういう出来事は歴史の汚点である」と
最初から最後までメッセージとして言われ続けると思っていたんですが、
いつの間にか死刑になり、そしてリンチで殺されるという流れが淡々と進んでいった。
見ている側として何も手を出せなかった、声を上げられなかった、
波風なく終わってしまった、という印象が強く残りました。

でもそれが、少しでも違うと思ったら声をあげないといけない、
傍観者にはなってはいけない、ということを暗に伝えていて、
それが2022年にやる狙いだったのかなとも思ったり。

キャストでいうと一番印象に残ったのはMicaela Diamondかな。
歌に聞き応えがあったのはいうまでもないのですが、
小さな体に秘めている炎というか、諦めない強さが、
もう全身から出ているようでした。

あとはPaul Alexander Nolan。
Micaelaとは逆で私利私欲の炎をめらめらと体の中から発しているのがすごかった。

もう一度見たいと思うストーリーではないけど、
時々こういう作品を見て、歴史から学ぶことは必要ですよね。
それがミュージカルというエンタメという形をとるんだから、
これを作り出す人たちってほんとにすごいなぁと改めて思いました。


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