2021年観劇8本目 : Once Upon A One More Time

12/15/2021 Wed 7:30pm
Once Upon A One More Time
Sidney Harman Hall
ORCH A 115 $35 (Rush)

ブリトニー・スピアーズの曲を使った新作ミュージカルが、
D.C.でトライアウト中で、出張中にチケットが取れたので見に行ってきました。
TodayTixのロトは外れたのですが、
劇場で開演2時間前からRushチケットを販売するとWebsiteに書いてあって、
そのRushチケットをゲットしての観劇です。

Rush席はまさかの最前列。(1番にRushを買いました)
売れていない席をいいところから売っているみたいです。

内容はFairy Taleの主人公の女の子たちが、
自分のストーリーってほんとにHappily Ever Afterなんだっけ、と疑問を持つという話。
女性のEmpowermentを絡めた内容で、今っぽいですね。

様々な物語の出演者たちは皆、舞台裏のようなところに住んでいて、
現実世界の子どもが絵本を開くと、
Narrator (Michael McGrath) の指示のもと、そのシーンを上演していきます。
出演者たちのさよならの挨拶は「Happily Ever After」。
物語の出演者たちは、ストーリーを何十年、何世代にも渡って伝えていき、
そしてストーリーがずっと愛されていることに誇りに思っています。

出演がないときは自由時間のようで、
シンデレラ、白雪姫、ラプンツェル(物語外でも、なぜか塔から降りられない)が、
時々集まってBook Clubを開いています。

皆、自分の物語以外に茶々を入れるのですが、
シンデレラがある日、この結末って本当に幸せなんだろうか、
と疑問を持つようになります。
Prince Charming(Justin Guarini)に質問を投げかけてみると、
自分はもらっていない給料を、Prince Charmingはもらっていることが判明!

シンデレラの目の前に、O.F.G(Original Fairy Godmother)が現れて、
「The Feminine Mystique」を渡したことから、
シンデレラは他の女の子の主人公たちも巻き込んで、
自分たち(女性)のストーリー、権利のために立ち上がるんだ!とストを決行することを決心します。

と、ここまでがAct1。
ここまでは結構おもしろかった。
どう決着をつけるんだろうと、Act2への期待が高まります。

結構笑えるし、今っぽいし、女の子たちが魅力的。
メインはシンデレラ、白雪姫、ラプンツェル、アリエル、眠れる森の美女なのですが、
白雪姫とラプンツェルはBlack、眠れる森の美女はAsianが演じるなど、
いろんな肌の色が混じっているのもいい感じです。

ただAct2は…どうした。
ストーリーがきちんと練れておらず、しっちゃかめっちゃか。
紆余曲折も特になく、強引に「自分のストーリーは自分で作ろう」で終わるんですが、
Act1で色々と話を広げては見たものの、収集がつかなくなって、
とりあえず終えた、という印象だけが残りました。
終わった後、勢いだけで乗り切ったSR!を思い出しました(苦笑)

いくつか不満点を挙げるとしたら
・ストを諦めるのが早い。
・Equal Payとか、My body my choiceという言葉を使うけど、それを解決する、または解決しようとするシーンが全くない。
・自分でストーリーを作り上げていくんだ、という割には、どんなストーリーを作っていきたいかを語るシーンがない。
・ストに怒ったNarratorがキャラクターたち(シンデレラ以外)を抹消するんだけど、シンデレラがそれを救済するシーンにドキドキもなければ、何の盛り上がりもない。
・Narratorも実はこの役割から解放されたいと思っていたことを打ち明ける。Narratorが一番ストーリーを伝承していくことに誇りを持っていた人だったから、このセリフは聞きたくなかった。

世界中の人が知っているFairy Taleの主人公たちが、
内容に疑問を持って立ち上がる、という着眼点は面白いのに、
着地がイマイチすぎましたね。せっかくだから、もっともっと練って欲しい。

あと、振り付けがイマイチ。
演出、振付の二人組(Keone and Mari Madrid)は主にMusic Videoなどで
仕事をしている人たちのようで、舞台の振付じゃないんですよねぇ。
ブリトニー・スピアーズの曲には合うかもだけど、
コンサートのマスゲームをずっと見せられているようで、
もうちょっとダンスにバラエティが欲しいです。
衣装、セットはBwayにもし行けば、もう少しお金がかかって豪華になるかな。

ただキャストは割と豪華でねぇ。
代役として入ったマイケルさん始め、Emily Skinnerがやっぱりうまい。
シンデレラのStep Motherを演じるのですが、迫力が違います。
そしてシンデレラ役のBriga Heelanは普段はテレビがメインみたいで、
初見の俳優さんでしたが、かわいさと賢さがあって、役にピッタリでした。
(だからこそ、ちゃんと本を書いてくれー)
他のメインのPrincessたちも、それぞれキャラクターがあってうまい。
そうそう、この作品でやっとLauren Zakrinちゃんを生で見られました。
Princess CharmingのJustin Guariniもコミカルだけどやりすぎではなく、
とってもいいバランスです。
ただ、Ryan Steelが出ているけど、彼をこの簡単な振付の作品に使うのは
だいぶもったいない気がしました。

あと音楽が特筆すべき点かな。
ブリちゃんのちょっと古い曲なのに、ぜーんぜん古臭く聞こえないんですよね。
今っぽいというか、洗練された音でした。

さ、もしBway入りすることになったら、全体的に変わってくるでしょうか。

 


Related Posts

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *