2021年観劇7本目 : Assassins

12/12/2021 (Sun) 2pm
Classic Stage Theatre
B205 $87+fee$5

チケットを最初に買ったのはいつでしたかね。
劇場再開が決まって、コロナ前のチケットを持っていた人に連絡が来て、
チケットを希望の日に振り替えてもらいました。

Assassinsはオンも含めてこの秋冬、一番楽しみにしていた作品でした。
2017年にNew York City Center版を見たことがあって、
その時もキャストが豪華でしたが、今回も豪華。
楽しみじゃないわけがありません。

劇場は三方を観客が囲むタイプ。

John Doyleの演出らしく、セットはミニマル、
そしてアンサンブルと、Balladeer (Ethan Slater)が楽器を弾きます。

正直、楽器はちょっとワンパターン化してきましたね。
Balladeer以外が楽器を弾く理由はあったのかな。
アンサンブルが楽器を持ったまま、
ステージに寝っ転がったりするんだけど、
あー、弾きづらそうだなぁ、とか、そっちに意識がいってしまいました。
それと、Balladeerとアンサンブルが色違いの同じ衣装を着ていたのですが、
アンサンブルとBalladeerとの差がつかないから、
アンサンブルは楽器はない方が良かったような。

キャストは、思ったほどオールスターキャストじゃなかった。
というのもNYCC版の方が役をモノにしていた感じがしたんですよね。

今回が良かった:The Balladeer, The Proprietor
NYCCが良かった:Samuel Byck, Leon Czolgosz, Sara Jane Moore, Giuseppe Zangara, John Hinckley, Jr.

いや、今回もいいんですよ。
でもNYCCが良すぎたんです。小さな役まで、とにかく全員が入り込んでた。
今回はあんまりそういうのを感じなかったかな。

銃については、今は作品の内容というより、銃の方が気になってしまいますね。
銃の乱射事件が今でも全然なくならないこと、
そして映画のセットで、コールドガンだったはずのものが発砲してしまったことなど、
銃への恐怖が高まっていたので、舞台の上とはいえ、
銃口が向くと、ちょっとドキッとしました。
話の内容より、銃という存在そのものに気を取られてしまうシーンが多々ありました。

あと、今回は出演者がセリフを言ったり、歌わないときは、
舞台上でマスクをするという演出にしていたのですが、マスクは星条旗柄。
前大統領のせいで、この星条旗の印象も大きく変わってしまったので、
今の星条旗の意味がこのキャラクターたちに合っているというかなんというか。
歪んだ愛国心、捻くれた自己愛、計画性のなさ…。
このぐらいでやめておきますが、
星条旗マスクをそういう意味で舞台で使っていたのがなんとも皮肉でした。

最後はなかなかのインパクト。
最後の曲で、NYCC版は小さな子どもが銃を持って出てきて、
誤射しそう→みんなの注目がそっちへ→誰も暗殺者のことなんか気にしていない、
という内容でしたが、なんと今回は1月6日の暴動の写真が出てきました。

大統領が反逆を扇動する、というとんでもない恐ろしさ。
そしてそれに追従する多くの人々。
大統領の暗殺者、暗殺未遂者なんて、
足元にも及ばないインパクトを残した1月6日事件でしたが、
子どもの誤射は、誰も暗殺者のことなんて覚えちゃいないんだよ、
という皮肉だったのに対して、1月6日は実際に起こったことですからね。
JFKの暗殺並に今後語り継がれていくんじゃないでしょうか。

なので、すごい終わり方をしたな、と。
このご時世、触れないわけにはいかないんだろうけど、
でも作品がテーマにしていること、
問いかけているものを超えてしまった気がして、いいような悪いような、でした。

高いお金も払ったし、この作品をU/Sなしで見られたのは良かったんだけど、
もう一度見たいかと聞かれたら、きっぱりNoという感じです。
エンタメを超えてしまって重かったな、というのが感想です。

おまけ。
トイレにこんなのが貼ってあったので、ここにも貼っておきます。

 

 

 

 

 

 


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