2021年観劇1本目 : American Utopia

09/29/2021
David Byrne’s American Utopia
St. James Theatre
Mezz(座席は手元にケットがないため不明)

Broadwayの作品が少しずつ戻ってきている中で、
とうとう私にも劇場に行く機会が巡ってきました。
この前の日曜日、一緒にトニー賞鑑賞会をした3人で、
トニーの特別賞を受賞したAmerican Utopiaを観劇です。

入場時にIDとワクチン証明を提示して劇場の中へ。
劇場に入る列に並ぼうとしたときに、
なんか見たことのある人が目の前を通ったと思ったらKevinでした!
まさかこんなタイミングで会うとはね。
一応挨拶したけど、マスクをしていたし、本当に久しぶりだし、
向こうが認識していたかどうかはわかりません(笑)

この作品はもともと2019年にHudson Theater期間限定で行われたもの。
BroadwayのReopeningに合わせて、St. Jamesで復活しています。3月まで。
Broadwayに来る前は全米ツアーをしていたそうです。

出演者はDavid Byrne、2名のシンガー/ダンサー、
ギター、ベース、キーボード、パーカッション(6名)の計12名。

David Byrneがプラスチックの脳みそを手に持ち、
人間の脳は生まれた時に一番神経がつながっていて、
だんだんその数が減るが、それは赤ちゃんの時が一番賢くて、
大人になるにつれてStupidになるということだろうか、と問いかけます。

この問いかけがショーの前半のトーンを決めていました。

前半は何か強烈なメッセージがあるわけではなく、
パフォーマンスが続いていくのですが、
この言葉があったせいで、脳みそを使って、この曲の意味は?
この動きの意味は?この照明の意味は?と考えなくちゃいけない気がして。
前半は脳みそのエクササイズ、という感じでした。

私はDavid Byrneの曲はほぼ初めてで、
1曲知っている曲があったかなぁという程度。
なので初めて見聞きする情報量が多すぎて、脳エクササイズが結構大変でした。
客席にはファンも多かったようで、前奏のみで歓声が上がることも。
その人たちはもっとパフォーマンスの意味を楽しめたかもしれません。

でも演者の振付や、フォーメーションを見ているだけでも、
このクリエイティビティは見たことない!と興奮しました。
浮遊しているようだったり、整理整頓されていたり、
直角だったり、カーブだったり、直線だったり、斜めだったり。
この曲のこのテーマに、なんでこの動きなんだろう、と
考えざるを得ない動きで、脳が休まりません(笑)

ダンスがメインの2人が、いいインパクトになっていましてね。
David Byrneも楽器を弾いている人も動くのですが、
このダンスメインの2人の動きが本当に個性的でした。
楽器もパーカッションが6名いますが、
それぞれ違う楽器で、パーカッションと言ってもこんなに種類があって、
それぞれ違った音を出して、それが組み合わさっているのがおもしろかったです。
普段、こんなにたくさんのパーカッションをいっぺんに見ることってそうないですよね。

また今はCovidのことを外すことはできません。
コロナの前と後では色々な意味が変わったとか、
じゃあ、コロナ前に戻りたいかというとそうでもない、
意識や思考が大きく変わった出来事だったという話もしていました。

後半は政治的なメッセージが中心。
David ByrneはVote Registrationを進める活動をしていたそうで、
世の中は20%の人々(しかもその平均年齢は54歳)の人によって
決められているんだ、環境問題なんて彼らには関係ないよね、
と言ったことを訴えていました。

さらにはSay her/his nameと、警察などによって不条理に殺された
黒人の名前をchantする曲も。

前半の脳を使うきっかけだけ置いておくから、
あとは自分で煮るなり焼くなり解釈して、というスタンスだったのが、
後半はこのメッセージを受けるとか、受け取らないか、どっちだ?
と雰囲気が大きく変わったので、後半は退席する人が少しいましたかね。

そして個人的には、バンドメンバーを紹介するときに、
Diversityだとか、移民のおかげで色々できると言っていたけど、そこにアジア系はゼロ。
BLMはとても大切だけど、Asian Hateも問題になった今だからこそ、
後半のメッセージの中に、全くアジア系について触れられていないことには
ちょっと違和感というか、それでもやっぱりアジア系はマイノリティーでなのか、
と少し寂しさも感じました。

もちろん、この作品はコロナ前に作られたものなのはわかるけど、
トークの中にはコロナや2020年のことについて語られていましたからねぇ。

まぁでも、久しぶりの劇場は本当に楽しかったです。
クリエイティビティの波に溺れる感じ、久しぶりだー!
この作品、Spike Leeで映像化もされているんですよね。
コロナ前に撮影されたものですが、機会があれば見てみようと思っています。

 

 


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