シカゴでのトライアウトを見て、
これはいい作品になるぞ、と予感していたBig Fish。
オープンする前にたまたまチケットを検索していたら
G列のセンターが出てきたのでディスカウントで
その席が買えたのですが、そのときに気づくべきでしたね…。
これは自信のなさの現れだと…。

Neil Simon Theatre
G109
$99.25(ticketmaster)

オープンして出てきた批評もまぁヒドイ。
あの作品がどうしてこんなことになったんだ??
と最初は意味不明だったんですが、見たら納得でした。

だってこれ改悪しすぎでしょ。

まず各シーンをいちいち説明しすぎ。
プロジェクションを上手に使っている作品だったけど、
プロジェクション技術の功罪かもね。
テロップが出てくるみたいに、これは何のシーン、って
文字で出てくるのですよ。
せっかくセットを動かして場面が変わるよと言っているのに、
わざわざ文字で出してくるもんだから、なんか興ざめ。
観客がいつのどのシーンなのか理解できないと思ったのでしょうか。

そして次に父と子がけんかする理由を
結婚式というせっかくの晴れの舞台でお父さんが目立ったから、
じゃなくて、お父さんがジョセフィーヌの妊娠をお母さんにばらしたから、
ってのも加わってて「?」でした。
そんなのお父さんが悪いに決まってるじゃん。

シカゴのときは、お父さんに結婚式のおいしいところを
持っていかれたとはいえ、けんかしてしまったことを息子が反省し、
でもなかなかうまく謝れない、という葛藤がしっかり出ていたけど、
結婚式で目立った上に、これだけは言わないで、と言われていたことを
ばらしたお父さんが悪いから、むしろお父さんが謝るべきじゃない?
と思わせる流れになっていてねぇ。
そのせいか、お父さんが結構やなやつに見えてしまって…。
おっさんが私が見る数日前まで体調不良で休んでいて、
万全の体調じゃなかったのは明らかだったけど、
年老いた病気のおじいちゃんがわめいてるように見えるシーンもあった。
「おっさんの魅力や実力はこんなはずじゃない」って
ずっと頭の中をグルグルしてました。
あのスーパーマンっぷりはどこいっちゃったんだろ。
シカゴのときは、トニー賞の男優賞が見えた!!とまで思ったのに、
スケールダウンしすぎてて相当残念でした。

他に残念だったのは、
父子愛がテーマのはずだから、結婚式で仲違いした二人が歌う
“This River Between Us”がこの作品の根底にある
と思っていたのに、この曲は完全に消えてました。
え?それでいいの?

そしてそのあと引っ越したWillがセントラルパークで歌う”Stranger”も、
彼のソロがなくて無理矢理作った感満載。
さらには巨人と出会うシーンで、
“Bigger”という曲の中でEdwardが歌って踊って、
巨人をcaveから出るように説得していくのが面白かったのに
(ただもうちょっと振り付けに凝って欲しいなと思っていたけど)
全く違う曲になってました。

Act1の後半からAct2にかけては
ちょっと変わった部分があるな…程度だったけど、
Act1の前半の改悪っぷりはほんと素人の私でさえも、
それはないんじゃない??と思ったほど。
前半ですっかり気持ちが離れてしまいました。

ただAct2の最後はWillにまた泣かされました…。
流れを知っているのでシカゴほどの大号泣じゃなかったけど、
いくら作品がダメになっても俳優はしっかり魅せてくれますね。

あー、でもなー。
シカゴの「進化版」が見たかったなぁ。
結構期待していたのに、大きく空振りしたBFでした。
あすクロージングを迎えます。
ま、あれじゃ仕方ないよね…。


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