Chicago&NY旅行3 1本目 Big Fish

4月25日(木) Big Fish

Oriental Theatre A106

今年の秋にBroadway入り予定のBig Fishが
たまたまシカゴに行く時期にトライアウトランをやっていたので、
シカゴモルモンを2回見る予定だったのを
変更して見に行きました。

最初に言うけど、今回見た13本の中でこれが一番良かった。
トライアウトが一番良いってどうなのか、とも思いますが…。
まだまだ改善点はある印象でしたが、
スーザン・ストローマンの華やかな振付と、
Norbert Leo Butzの大熱演がすごくて、最後は大号泣してしまった…。
映画は特に涙することはなかったのに、
この日は熱演に心打たれ、
自分でもびっくりするぐらい涙が流れ落ちました。

ホテルに戻ってもシーンが思い出されて、
もう一度泣いちゃったりして…。
早くまたNYで見たいです。

初見かつ1本目なので記憶があいまいな部分も多いのですが、
とりあえず全シーン振り返ってみます。

<ネタバレ満載です>

劇場に入ると、舞台にまずびっくり。
舞台手前に川のセットがありました。
席は最前列だったけど、川のおかげでキャストとは
少し距離があって見やすかった。

The River Edgeで幕開けると、Willの寝室から物語がスタート。
お得意のWillが生まれた日に巨大な魚を釣った話を
“The God’s Honest Truth”に乗せて語り始めます。

もうこの1曲目からDon’t Break The Ruleを超えるおっさんのダンス。
この曲から目が釘づけになりました。

セットは超大がかりというわけではないけど、
適度にセットが動くのと、
あとはプロジェクションをうまく使っていたなぁという印象です。
この曲で魚に飲み込まれるシーンは映像が効果的でした。

続いてはWillの結婚式。
Willが主役の日なのに、Edwardが目立ってしまい二人は口論に。
ここで歌う”This River Between Us”が
ある意味この曲がストーリーの真ん中というか、
ここでできてしまった隔たりを埋めていくことが
話の元になるわけですが、おっさんの声量がすごすぎて、
Bobby Steggertの声消されちゃってます。
でもま、そのぐらいのバランスでいいのかな。
ちなみにBobbyを見るのはRagtime以来。お久しぶり。

次のシーンでEdwardの病気が発覚。
病院着を来ているおっさんですが、これが自分の最期じゃない、
小さい時に魔女に見せてもらったものと違う、
と急に病院着を脱いでベースボールキャップをかぶって、
子ども時代を演じはじめます。
現在の弱っているEdwardを演じつつ、
ささっと衣装替えして
(と言ってもキャップかぶって、病院着を脱ぐだけだけど)
かつてのEdwardを演じるおっさん。
まるで映画でシーンがガラッとかわったかのように、
おっさんが自分の若い頃を別人のように演じていくのですが、
その切り替えがすごいというか、人が変わったかのよう。
そしてずっと出ずっぱりなのに、まったくもって疲れを感じさせません。
この人スーパーマン。

Witchが出てくるシーンは
出てくるまでの振り付けがストロらしく華やかです。
が、Witch本人はなんかShrekのドラゴン思い出したよね。
(“I Know What You Want”)
もうちょっと本人に迫力があるといいなー。

Edwardが病気だと知ってアラバマに戻ってくるWill。
結婚式以来関係が微妙になってしまったので、
その修復をしたいと思っていますがうまくいきません。
Backyardでお母さんと話す曲、だったかな、
“Born For The Water”が入ります。
曲への入り方の記憶がちょっとあやふやなんだけど。
ちなみにお母さん役のKate Baldwinを見るのはFinian’s Rainbow以来。

続いて、巨人が出てくるところ。
巨人を説得していくBiggerという曲が結構楽しかったかな。
でも振り付けはもうちょっと凝って欲しいかも。
もう少し派手なものを期待していました。
でも、映画版の巨人はちょっと気持ち悪かったけど、
この舞台版の巨人は、小奇麗でよかったです。

二人の旅をWillの新妻であるJosephineに話し始めるEdward。
彼女は特にソロの歌があったりするわけじゃないので目立たないけど、
義理のお父さんに優しくて、かつ顔がかわいらしいので、
とても好感を持って見てました。
サーカスにたどり着いたところは、
その場にJosephineやWillも座っていてストーリーが進んでいきます。
サーカスで出会うのが現在のお母さんのSandra。
サーカスに加わりたいSandraが友人とともに
オーディションを受けるのですが(“Little Lamb From Alabama”)
この衣装がですね、ちょっとKateさんにあってなかったよね。


(そしてその前に歌ったSandra’s Wishってどんな曲だったっけ??)

そしてプロモーションに使われている”Time Stops”へ。
この曲は一度聴いたら耳に残りますね。
しかも思ったより、このシーンにめっちゃぴったり。
二人がデュエットしているところもいいんだけど、
少年が私を見つめてる、って歌うSandraの部分が
声がすーっと通ってこれがキレイでした。

Sandraに一目ぼれしたEdwardがサーカスで働き始めますが、
やっとここでBrad Oscarが活躍します。
それまでアンサンブルの一人としてでしか出てこないけど、
サーカスの団長がBrad Oscarなんですよね。
“Closer to Her”は彼がメインです。
ゾウが出てきたのってここだよね。
あれは笑ってしまった。

なかなかSandraについて教えてもらえないEdwardですが、
Amosの秘密を知ってしまったのと引き換えに
Sandraについて教えてもらえることに。
そして人間大砲でAuburn Uniへ。

ここでSandraに出会い、彼女が好きなDaffodilsを
彼女にプレゼントする”Daffodils”でAct1終了。
思いを一方的に、しかも強引に告げるEdwardが
今だったら完全にストーカーだけど(笑)
必死さがとても健気でおっさんがかわいく見えた。
そして最後は舞台一面がラッパ水仙になります。
ここもプロジェクションがうまく使われてましたね。

ティムバートンの映画をどうミュージカル化するんだろう、
と思ったけど、想像以上に楽しい。
Act1でかなり満足でした。

ここで隣のおばちゃんとしばらくおしゃべり。
モルモンも面白かったけど、
私はラブストーリーが好きだから、こっちの作品が好きだ、と
言ってました。

ではAct2へ。

ボーイスカウトの少年たちを前に、
戦時中に大活躍したことを話し始めます。
(“Red, White and True”)

幕開けらしく、大人数でパフォーマンスする1曲ですが、
男性陣が軍服だからちょっと地味だよね。

で、このあとキャンプファイヤーの火を消すところで、
火の精が出てくるんだけど、あれは必要かね。
いや、衣装チェンジとかの時間を稼ぐためなのはわかるけど、
急にここだけ異次元になっちゃって違和感あった。

続いてEdwardの部屋。
もうだいぶ弱ってきたEdward。

また昔を振り返り、Edwardが仕事から帰ってくると、
Willのベッドルームに行き、”Fight The Dragon”の話を始めます。
この曲のさびのメロディーがキレイでねぇ。今でも歌えるよ。
(YTに上がってた)

大人Willが結婚式での仲違いを
修復しようと部屋に入ってきますがうまくいかず、
部屋を去っていくと、Willや町の人たちがEdwardを
責めたてていく夢を見るEdward。(“Showdown”)
正直この曲は必要だったのかな、どうかな、と思ったけど、
USマーシャルな恰好をしているBobbyがかわいかったです。

ただ弱っているところにこんな夢を見て、
さすがに参ってくるEdward。
そんなEdwardを気丈に支えるSandraの
“I Don’t Need a Roof”はぐっときました。

でも、作品全体は父と息子の物語なので、
お母さんの出番がそこまでないはずなのに、
ちょいちょい強引に見せ場を作っている感も否めず。
この曲ももうちょっと短くていいかも。

WillがEdwardの荷物を色々と整理していると、
Edwardが他人のために家を買っていたことが判明し、
きっと不倫をしていたんだ、なんてひどい父親なんだ、
とその家に実際に行ってみることに。
しかしJennyと会うと、Ashton Townを別の場所に移すために
奮闘する”Start Over”を通して、
Willはこれまで知らなかった父の姿と、
実はEdwardの話の中にはいくつか真実があったことを初めて知ります。
ここのBobbyの表情にもう涙腺がやばい。

するとWillに電話がかかってきて、
お父さんが病院に移されたことを知り慌てて帰ります。
お父さんと出会ったときのことを思い出す
SandraのTime Stops Repriseもそうだったけど、
その次の”What’s Next”で私はもう大号泣。

Willがお母さんの代わりに病院で付き添っていると、
Edwardがまたこれが自分の終わりではない、
と言い始め、だったら何が最後なのかと尋ねるのですが、
Edwardが具体的に教えてくれないので、
Willがどんな最期かを想像していきます。

もう今、これ書きながら泣けるぐらいBobbyが大熱演で。
父に最期をどう迎えさせてあげるか、
必死になって模索していく姿がもう、ね…。
父をうっとうしく思ったこと、疑ったこと、
結婚式で距離ができてしまったことを、
少しでもいいから埋められるように、
そして父に理想の形で最期を迎えてもらうために、
想像していくWillの姿に引き込まれて、
もう涙がとめどなく出てきましてね。
まさかこんなになくと思ってなかったから、
ハンカチを用意してなかったんだけど、
舞台から目が離せないから、バッグに手を伸ばして
探してみたけど、すぐ出てこなくて結局涙流しっぱなし。

そしてほんとのEdwardの最期。
お葬式に皆が集まってきて、
Willが必死に模索していた通りの結末を迎えます。
(“How It Ends”)

そして月日は流れ、Willと家族が川辺でピクニックをしていると、
Willがかつてのお父さんのように、
自分の息子に大げさな話をしていて、
またこれが涙腺を緩ませます。

そして映画同様、最後に魚がジャンプしておしまい。
カーテンコールでまたBobbyが泣いていたのが印象的です。

もうね、おっさんすごすぎですよ。
一人ずっと出っぱなし、歌いっぱなし、踊りっぱなし。
来年のトニー賞主演男優賞が見えました(笑)
あのパワーとセンスはどうやったら習得できるものなんでしょう。
この作品を見て、今Bwayで
この人が一番無敵なんじゃないかと思いました。

秋にBwayでオープン予定のこの作品。
ブラッシュアップされたものを早く見たいです。

memo:
シカゴ公演のレビュー


Related Posts

4 thoughts on “Chicago&NY旅行3 1本目 Big Fish

  1. 読んでて思い出して泣いちゃいました。
    ホント、おっさん素晴らしかったです。
    heatherさんの記憶も素晴らしいけど。

    私にとっても今回の旅行のBEST1なんですけど
    これってどうなのよーですよね(笑)

  2. いやーBIg Fish、そしておっさん!!すごかったー。思いがけずの観劇でしたが、私も本当に観られてよかったです。今年のトニーはまだまだわからないけど、来年のトニーはもうわかったな…と、思いました(笑)
    これからBwayオープンに向けて、どう進化していくのか、今から楽しみです。

  3. >YURIさん
    本当に今回はBig Fishがダントツ一番でしたね。
    おっさんがすごすぎてすごすぎて。
    NYでオープンしたらまたすぐに見たいです。

    いやいや、結構抜け落ちてるシーンがあるんですよ。
    良く覚えてないシーン多々なので、
    もう一度見たあとにこれを読んだら、
    何でこのシーン覚えてなかったの!?ってなると思います。

  4. >kanaさん
    トライアウトの感想をこうやってシェアできてラッキー!!
    おっしゃる通り、もう来年の主演男優賞は見えましたよね(笑)
    まだまだ改善して欲しいなぁという部分もあったので、
    それがどう良くなって秋にオープンするのか楽しみですね。
    私の最近のお気に入りはFight The Dragonです。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *