2015年観劇45本目:Dames at Sea

10月29日(木)Dames at Sea
The Helen Hayes Theatre
L12 comp with Eさん

Audience Rewardsがまたチケットを当ててくれまして、
22日にオープニングナイトを迎えたばかりの
Dames at Seaを見に行ってきました。

もともとは1966年にOff-Off-Broadwayで上演された作品で、
当時はBernadette Petersが主演のRubyを演じていたそうです。
内容は1930年代のNYを舞台としたスター誕生もので、
1930年頃のミュージカル映画を部分部分でパロった作品です。

上演が始まるちょっと前に、
他の劇場でステレオタイプの日本人の役を
白人がyellow faceにして演じる”The Mikado”が
“racial concerns”のためにキャンセルされた煽りを受け(?)、
この作品の中で歌われる”Singapore Sue”もカットすべきではないか、
と一部で言われたりもしていましたが、
一部歌詞を変えての上演となりました。
(それに関する記事)

と、始まる前に色々と言われた作品、かつ、
批評もmixからネガが多かったですが、
個人的にはとっても楽しめました。


出演者はたった6人。アンサンブルなしです。
その6人が歌って踊っての、たった2時間の作品でした。

ストーリーは42nd Streetと流れはほぼ同じで、
田舎から出てきた女の子が、
主演女優のアクシデントを機にスターダムを上り詰める、
という単純明快な内容。
最後に皆結ばれて結婚してハッピー、
しかもそれがたった1日で起こってしまうという
能天気にさらに輪をかけたような話でした。
この単純さってアメリカ人特有よね(笑)
批評に42nd StreetとAnything Goesの合体と書いてあった通り、
これらの作品へのオマージュが根底にある作品だと思います。

ほんと能天気すぎて中身もあったもんじゃないんだけど(笑)
俳優と客席の距離が物理的にも精神的にも近い中で
このストーリーが進んでいくと、
なんだかハッピーな気持ちになれるんですよね。
Act1が終わった後に、あ、これ結構好きかも、と思い、
Act2を見た後はあー楽しかった、と劇場を出ることができました。

42nd Streetを見てBroadwayにハマった私としては、
能天気で、でも歌って踊ってが激しい、
こういうタイプの作品が好みだというのもありますが、
出ている人たちが全員、
どのシーンも余すところなく魅せてくれるので、
ずーっとニコニコしながら見ちゃいました。

俳優では、マチルダのお母さんをやっていた
Lesli MargheritaがDiva役だったのですが、だいぶいい味を出していました。
マチルダのときは、ロンドンで見たお母さんと比べると
はっちゃけ具合が足りないかな、と思ったけど、
この作品ではもうどのシーンも150%で演じてますっていうぐらい
ぶっ飛んでました(笑)
でも、動きや間にいやらしさがなく、
大げさな演技にケラケラ笑ってしまいます。
でも歌うところでは聴きごたえばっちり。

主演のRubyを演じていたEloise Kroppは
松浦亜弥と雰囲気が似ていていて、
皆から好かれる感じがこの役にとっても合っていたと思います。
Joan役のMara Daviは劇団のコーラスガール役。
女性3人の中では一番地味な役だけど、
彼女のしっかり者の雰囲気が好きだったし、
ダンスも歌もRubyより上手だったので、個人的に印象に残りました。
水兵の二人はジーンケリーやシナトラと比べると
(ってそんな二人と比べちゃいけませんが)
やや男らしさが足りないところがあったけど、
どちらもタップがとってもキレイだった。
John Boltonはproducer/directorと水兵のキャプテンの
2役をやっていたんだけど、どっちも一番上の立場の人なのに、
下の人たちに翻弄される様子がおかしかったです。

ダンスはほぼタップ。
そしてSinging in the Rainだったり、On the Townだったり、
あとはどの映画か思い出せないんだけど、
(or That’s Entertainmentシリーズで見た)
どこかミュージカル映画で見たことがあるなーという
振り付けや男女間の視線のかわし方や演出が多いのですが、
2時間で色んな昔の映画をまとめておさらいしているようでした。
例を挙げると最初のシーンは42nd Streetの”We’re in the money”だし、
ハネムーンの曲のくだりも、”Shuffle Off to Buffalo”を彷彿とさせるし、
Singing in the Rainそのままに
黄色いポンチョで出てきて踊るシーンもありました。
あとCabaretの曲に旋律が似てる曲があったけど、
これはたまたまかな。

ストーリーに中身がないし(笑)
Act1は劇場、Act2は船の上、というセットからほとんど変わらず、
地味といえば地味だし、
もう一度見たい!!という中毒性があるわけではないけど、
派手なセットや衣装やアンサンブルでごまかしが効かない、
俳優のガチな力量勝負な作品で、
全員が素晴らしかったので、満足度はとても高かったです。
週8回もこれをこなすだなんてすごいなー。
改めてBwayの凄さを見たような気がします。


Related Posts

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *