2015年観劇11本目:Into The Woods

4月5日(日) マチネ(2pm)
Into The Woods
Laura Pels Theatre
Q1 (Hiptix) $25

ずいぶん前にたった11人でITWを上演する、
というニュースを読んだときから気になっていたのに
チケット発売をすっかり見落としていて
Hiptixが完売+普通の席もオフの割にいい値段がして
見られないかも…と思っていたのですが、
2週間ぐらい延長することが決まったタイミングで
サイトを見たらHiptixがあったので即購入。
確か買ったのは1月下旬でした。

いやーー、これは本当におもしろかった。
ITWって有名な割には去年公開された映画が私的初ITWで、
これは映像より舞台の方がおもしろいんだろうな、
という印象を持っていたのですが、
内容もさることながら、
たった11人で表現するという手法を、
おーここはこう来たか!!と関心・驚きの連続で
心から楽しむことができました。

ソンドハイム作品なのでとにかく音が難しく、
その音の外し方はないだろーと思う人も少なからずいましたが、
見終わった後にそれがマイナスに働くことは一切ありませんでした。
ただその代わり、歌が上手くて感動することもなかったけど。

ともすると、小劇団が少ない予算の中で作った作品のように
見えるぐらいセットは簡素だし、
大げさな小道具は使わないのだけど、
あえて小道具を大げさに見せることで
観客に今はこの人はこの役ですよ、と
わかりやすくサインを送ってくれるので、
(例えばラプンツェルと赤ずきんちゃんは同一人物が演じるのだけど、
俳優はずっと舞台上にいるので、赤いケープの付け外しや、
ゴールドの髪の毛のカツラ=ニット帽をかぶって用意するところが
客席からあえて見えるようになっている)
もしかしたら登場人物分の出演者がいるより、
わかりやすく見ることができたかもしれません。

11人のなかで目立っていたのがBaker役の俳優さん。
このキャストの中では珍しく←
音を外さずキレイに歌いあげる人だったのですが、
遠目で見るとまだ若く見えて(実際はそうでもなさそう)
妻を優しく守る良き旦那ですでに完成している面がありつつも、
一度は子どもをシンデレラに託すけど、
戻ってきて残った人たちと共に次の一歩を踏み出す決心が、
それが何かこれから人としてもっともっと発展していく面があるんだ、
という風に見えて、「未来」を感じさせる人だったのですよね。
彼の演技に特に惹かれました。

インターミッション中に気になってPlaybillを見たら彼は、
Co-Directorでもあり、Co-Artistic Directorでもあるんですね。
それを読んじゃったからかもしれないけど、
俳優としてのみ参加している人より、
全体のバランスや、観客の反応に注視している雰囲気を感じて、
できる人はなんでもできるし、賢いんだなーと尊敬してみてました。

そして、なぜか彼を見ているとNicを思い出しまして。
NicはもうEPはいいから、こういう役で魅せて欲しいです。
Nic、コメディじゃなくて、ドラマ系もいけると思うんだけどなー。

と話はずれましたが。

再演ものって「古き良き」が重視されたり、
(私はその古き良きが好きだったりするけど)
最新の技術を多用して、見た目を豪華にしたりするけど、
削ぎ落として、削ぎ落として、そして作り込むという手もあるんだな、と
内容だけでなく演出面でとっても楽しめました。

以前お師匠さまから教えていただいたのですが、
この作品はいくらでもお金をかけて作れるし、
いくらでも簡素に作ることもできる作品でもあります。
個人的には映画版よりもオフのたった11人のものの方が
創意工夫を極限まで追求した感じがあって好きでしたが、
どんだけ豪華に作ろうが、どんなに質素に作ろうが、
内容でぐっとくるシーンは同じなんですよね。

なので演出がすごい!!とAct1はそっちに目がいったけど、
Act2では作品そのものの強さや
普遍のメッセージを受け取る機会でもあったと思います。

完成されている作品をどう表現していくのか、
という新たな楽しみ方を
この作品が違う場所で行われるときにしていくことができそうです。


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