2015年観劇8本目:Something Rotten

3月23日(月)
Something Rotten
St. James Theatre(別名短命劇場)
D11 $16.95 with Kさん

昨年の12月でしたかね。
SideShowのクローズが決まり、
急遽(?)、シアトルでトライアウトを経てから
Bway入りする予定だったこの作品がSt. Jamesに入ると
発表されて、しかも、プレビュー最初の3公演のチケットを
$16.95で販売します、というキャンペーンを行ったので、
朝から並んでこの日のチケットをゲットしました。

個人的にトライアウトはとても大事な過程だと思っているので、
(Big Fishは改悪だったけど、
Beautifulはトライアウトと比べると見違えるほど良くなったし!!)
いい俳優をたくさん揃えているけど、これ大丈夫かな、
劇場も劇場だし←と期待と不安と半々で見に行きました。


最初の曲で俳優たちがだいぶ緊張していたのが伝わってきたけど、
何か大きなトラブルもなく、すごくスムーズに進んでいきました。
(ちょっとマイクトラブルはあったけど)

時は90年代…1590年代のSouth London。
“Welcome to the Renaissance”という曲から始まるのですが、
マゴッツさんがメインでこの曲を進めていきます。
最初っから衣装がRenaissance風で豪華。

Bottom兄弟の兄で俳優兼劇作家のNick(Brian D’Arcy Jemes)は
自分たちの劇団でヒット作を生み出したいと
一生懸命作品を作り出していますが、
Shakespeareというスーパースターがいる中で、
なかなか陽の目を見ることができません。
NickとShakespeareは知り合いだという設定なのですが、
NickはShakespareが大嫌い。
“God, I hate Shakespeare”でそれが歌われるのですが、
これがrepriseされるときに、
なぜShakespeareが嫌いなのかがよくわかるようになっています。
弟のNigelは主に作品を書いているんだけど、
劇よりもpoemの方に関心があり、
そして兄の目の敵であるShakespeareを尊敬してやみません。

窮地に立たされたNickは、家を買うためのへそくりを
妻(Bea/Heidi Blickenstaff)に内緒で持ち出し
占い師(Brad Oscar)に未来の演劇界で流行っているものを占ってもらいます。
それを先取りしてヒット作を生み出そうという魂胆なのですが、
占い師が見た未来の演劇界で流行っているものは…
Musical!!

まだミュージカルが存在しないこの時代。
Nickは一体ミュージカルはなんぞや??
歌って踊って演技してを同時にするってどういうこと??と聞くと
占い師がミュージカルってこういうもの、と
“A Musical”というナンバーに乗せて紹介するのですが、
今後のヒット作のネタをだいぶ詰め込んできたり、
ラインダンスやタップダンスが
次から次へと出てくるので、
もう客席はやんややんやの大盛り上がり。

曲のメインの部分が始まる前に、
Nickが歌って踊って演技してを同時にするなんて
バカげている!!と”歌い出す”のですが、
またこれも大爆笑を誘うのですよね。
ミュージカルがあまり好きではない人の多くは
急に歌い出すなんて意味がわからない、というけど、
それを逆手にとってネタにして歌い出すので、
こういう自虐ネタ(?)を喜ばない
シアターファンがいないわけがありません(笑)
(しかもこの日はプレビュー初日で、シアター好きがいっぱいいるし)

曲が終わった後はスタオベでした(笑)
だいぶ長い曲だったのですが、
全く飽きることなくあっという間に時間が過ぎていきました。
この作品の演出・振付はAladdinと同じCarsyだけど、
AladdinのFriends Like Meみたいでした。

新しいアイディアをゲットしたNickは
これまでの歴史の中で最も素晴らしい発明品をネタに
ミュージカルという新しいコンセプトを適用することを考えます。
その発明というのが、The Black Death(笑)
いうまでもなく、しょーもねー(笑)

なのでNickはShakespeareの最大のヒット作を使って
ミュージカルを作ろうと、改めて占い師を訪ねます。
すると占い師がいうところには彼の最大のヒットは…
オムレツ(笑)(元ネタはわかりますよねww)
さらに今後どんなミュージカルが流行るのかも予言してもらい、
ヒットするものを全て混ぜ合わせて作品を作ろうとします。

一方でShakespeareはロックスター並の大人気ですが、
(なのでそんな振る舞いをしてる)
常に一番でいることはプレッシャー(“Hard to be the Bard”)。
Nickが占い師に自分のヒット作を聞きに行ったことを知ると、
変装してトビーという名前を使って←、Nick劇団に入り込みます。
ちなみにShakespeareはヒップなスター役なので、
普段は革パン・革ジャンという衣装なのですが、
いやーChristian Borleのお尻ってキュっとあがってるのね♡
革パンでそれが強調されていて、ずっとお尻ばかり見てました(笑)
彼は1曲目にほんの数秒、そしてAct1の後半まででてこないので、
途中、早くChristian Borleだせーと思いましたが、
出てきてもお尻しか見てなかった気がしますww

順番は前後しますが、彼のメインの登場シーンは、
公園(パーティー)でのパフォーマンス”Will Power”から始まるのですが、
バックダンサーを従えて踊る様子がなんかMan Upを思い出しました。
Kさん曰く、モルモンと違うのは、
踊れるバックダンサーだということでした(笑)

Shakespeareがやっとちゃんと出てきて、
そしてBottom兄弟は新たな作品をまさに生み出そうとしていて、
(オムレツ・ザ・ミュージカルwww)
“Bottom’s Gonna Be On Top”というところでAct1が終わります。
Act1はとにかく見た目も楽しかったし、
in-theatreジョークやShakespeareジョークがたくさんあって、
笑って拍手して、ネタがわかってニヤっとして、と
だいぶ楽しかったんですよね。

ここにNigelと、厳格な修道士(なので大衆演劇や作り話にも反対)を
父に持つPortiaのラブストーリーがあったり、
貧しいながらも旦那を助けたいBeaの献身的な様子があったり、
ShakespareとNickの対決(なぜかタップ対決ww)があったり
だいぶいろんな要素を詰め込んだけど、
それがいいバランスで、おー、これはなかなかすごいぞ。
とAct2への期待が高まりました。

(ほんと、演劇鑑賞にはShakespeareと
ギリシャ神話等は欠かせないでよね…。
きちんと内容を知らないのもあるし、
知っていても日本語でしか読んだことがないから、

あの作品か、と気付くまでにタイムラグがあって、
あー、やっぱりきちんと一度読まないとダメだなーと改めて思いました)

…が。
Act2はどうしちゃったんですかね…。
オムレツミュージカルを作る過程で、
そこに未来のミュージカルのヒット作ネタを
またたくさん盛り込んでくるので、その手法にやや飽きちゃって…。

上手な漫才コンビが前半で一見なんのルールもなく散らかしたネタを
後半で一気に取りこぼしなく、
でも、わっ!!あの種をこう組み込んできたか!!と
wrap upしていくパターンが個人的に好きなので、
このミュージカルもそうなのかな、とちょっと期待したのですが、
後半は散らかしたまま、
それを何か上手に一本の線に組み込むわけでもなく、
ただ作品を参照しただけで終わっちゃったので、
オムレツミュージカルはだいぶしょぼい感じになってました。
そして衣装を見て、Bullets Over Broadwayを思い出したり…。

Shakespeareと、世界初のミュージカル、という
ざっくりしたストーリーの内容だけ事前に分かっていたのですが、
その情報のみで勝手に実はこの劇中のミュージカルが
のちのShakespeareをインスパイヤするんだと思ってたんですよね。
なので見ている途中までオムレツがミュージカルとして成功し、
Shakespeareがそのネタを拝借して
自分のヒット作の種にする、というストーリーが
待っているんだと思っていて、
(実はあのヒット作をインスパイアしたのは、
このミュージカルだった!!みたいな…)
どこにどんな伏線があるのか…と半ば捜査視点で見ていたのですが、
拝借の仕方がだいぶ予想から外れた(笑)

あと、インチキしたNickに対して公演後に
公判が開かれるのですが、法廷で大切なものは何か、
と見つけるシーンがThe Producersにしか見えなくてねぇ。
全体的にThe Producersと構成が似ていたのもあって、
(Act1の最初とAct2の最初が同じ曲だったり…)
法廷シーンはだいぶがっかりポイントでした。
あと妻の妊娠だったり、PortiaとNigelのラブストーリーだったり、
サブストーリーがいろんな方向に物語が進んでいくので、
やや煩雑な印象を受けたのと、
そして最後は…え、そうやって片付けるの??と
ちょっとがっかりな終わりかたでした。
アメリカ人にはウケてたけど。

ストーリーは置いておいて…。
主演のN2Nお父さんとクリスチャン・ボールは
いうまでもないですが芸達者というか、素敵な役者さんですなー。
お父さんはShrekで見たときに、
すっごい上手だけど所詮Shrekだからもったいないと感じたけど、
今回は歌で魅せてくれるところがたくさんある上に、
ダンサー的な上手さではないけど、結構踊ってたし、
真面目に演じているように見せつつ、
コメディーの間が素晴らしかったです。

そしてクリスチャン・ボールは独特なキャラクターを
さらに印象づけるのが本当に上手なんだなーと。
プリンシパル陣はどのキャラクターも
特徴的・個性的に描かれているので、
だいぶ濃いーーーのですが、彼の存在感は光りまくってました。
そして何よりお尻←まだいう。
お父さんと比べるとだいぶ出番が少ないのが残念ですが、
久しぶりにこの俳優さん大好きーと恋して帰って来ました。

そう。この作品、プリンシパルが全員濃いのですよ。
弟役のJohn CはThe ProducersでいうとLeo Bloomで、
兄がMaxなのですが、弟はどんどん才能を開花させていくし、
(カーテンコールで弟よりクリスチャン・ボールが先に出てきて、
兄と一緒に弟がでてきたのですが、多分順番違いますよね…??
クリスチャン・ボールが立ち位置を確認していたので、
多分弟、出てくるタイミングに間に合わなかったのだと思います。)
Heidiさんは献身的で賢い妻なので、彼女がでてくると温かい気持ちになるし、
Brooksは出てくるたびに必ず笑いを持っていくので、
これもまたBullets Over Broadwayを思い出しました。
(もちろんあの作品より断然こっちの方が良いのですが)
Brad OscarはA Musicalというビッグナンバーがあって、
Big Fishに引き続き「人間じゃない」役で持って行くし、
Kate Raindersはだいぶチェノだったし、
その他、Lord Clapham役のPeter Bartlett
Shylock役のGerry Vichiも出てくるたびにインパクト大なので、
誰一人あの役なんだったっけ??ってのがないんですよねー。

せっかく俳優がそろっているし、
曲もストーリーを進めていくのにすごく上手に使われていて、
意外と耳に残る曲も多かったりだったので、
ほんとAct2を何とかして欲しいのですよ!!
もったいない!!

(ってか、こう見るとほんとモルモンってすごかったなーと。
あんなにしっちゃかめっちゃかかき回しても、
最後はほっこり終わったもんなー)

きっとオープニングまでにどんどん変わると思うので、
オープンしたらまた見に行きたいと思っています。


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