2015年観劇6本目:Brooklynite

3月7日(土)マチネ
Brooklynite

Vineyard Theatre‎
Box4 $20 Rush

ネットでチケットを探していたら完売の日や、
残席5枚以下という日が多くて、
Rushを出さない日も多いんだろうかと思っていたら、
劇場の公式アカが毎公演Rush出してます、というので行ってみました。
張り切って40分前に着いたけど、誰もこなかった…(笑)

3月下旬までの限定公演で、
Trey役にMatt Doyle、
Brooklynの平和を守るヒーロー団に
ACやカノニコやBullets Over Broadwayで
トニーにノミネートされたNick Cordero、
アンサンブルにAnn Haradaと
微妙な線を突いてくるキャスティングが気になってたんですよね。

MattD演じるTreyは5年前に両親を強盗に
殺害された悲しい過去を持つ青年。
(ヒーローものにありがちなバックグラウンドw)
ヒーロー団の一員になりたい彼は
両親のお店を引き継ぎながらも、
6人の普通の市民を特殊な技能を持つスーパーヒーローに
変化させたbrooklyniteを作り出して、
自分もヒーローになろうと
お店の仕事をしつつ研究を重ねています。
一方で、ヒーロー団の一員のAstrolassは
普通の市民のなりたいと思っていて、
ヒーロー団をやめることを決心。
replacementが欲しいAstrolassと
ヒーロー団の一員になりたいTreyをメインにストーリーは進んでいきます。

まずね。ストーリーがくだらない(笑)
ヒーローもののお約束を全て網羅した
全くサプライズのない展開なのですが、
(ヒーローだった一人が悪役に回るとか、
結局スーパーヒーローにはなれないけど、
新たな目標を見つける、とかね)
くっだらない内容をよく2時間強のミュージカルにしたなーと
妙に感心してしまいました。

スーパーヒーローの特殊技能を、
映像ならCGを使って表現するのは簡単だけど、
それをどう舞台で表現するんだろうと思ったら、
観客が誰しも一度はスーパーヒーローの
映画やアニメを見たことがあることを前提に、
照明、プロジェクションがいい感じに
ここはこうイメージしてくださいねーと導いているようで、
その表現がとっても自然でした。

例えばAC(Andrew Call)は火を司るヒーローなんだけど、
彼が歌うときにオレンジの照明が使われて、
くどくない程度に炎を連想させるプロジェクションが使われるんですよね。
彼が手をかざすと炎が起こるんだな、ってのが、
その照明とプロジェクションで十分にわかるし、
その後も彼が手を動かすたびに自動的に
そこに炎が湧き上がるのを想像させられて、
彼の動きと自分が作り出す炎が頭のなかで一体化されるから、
舞台を見つつも、そこにCG効果が表れているようで、
おもしろい感覚でした。

あと一人はinvisibleなヒーローなんだけど、
声だけは聞こえて、ヒーロー団のその他の5人が、
彼がいるように演じていました。
カノニコがinvisibleなヒーローと踊ったりするんだけど、
いかにもいるように演じているのが上手でした。

曲は同じメロディーを繰り返すことで印象に残るものがあったり、
Act1の最後はフルキャストで歌うから盛り上がったり、
TreyとAstrolassのソロは心情を吐露するから
丁寧に描かれていたり、で、悪くはなかったんだけど、
ほら、某さんは声が出ないじゃない??
彼のナンバーは良いはずなのにイマイチ盛り上がりにかけて、
ちょいと残念でした。
Act1の最後は声が完全に消されていて、
Man Up思い出したよね…。
オーランドーが全然聞こえないのと一緒だった…。

MattDは今回のオタクな役は、EPより合ってたと思うんだけど、
笑いを取りに行くシーンで間とか表情がイマイチで、
ことごとく外してましてねー…。
you are incredibleって言われたり、
周りの動きが止まって、一人きらーん⭐︎となるところがあって
だいぶBOMを思い出し(て金返せと思っ)たんだけど、
コメディーセンスがやはり少し足りないと思う。

一方で、悪役に転じるCordero氏は
決して歌が上手いわけじゃないのに、
役のおいしいところを余すとこなく持って行きますよね。
彼が出てくるたびに今度は何するんだ??って
観客の期待値がどんどん上がっていたような気がします。

あとAstrolassを演じていたNicolette Robinsongが
これでオフデビューだったらしいのだけど、
普通に戻りたいといいつつも
リーダーシップが取れる天性の才能があったり、
自分からやめたけれども、ヒーロー団が恋しくなったり、
とても人間味溢れたキャラクターになっていて、好印象でした。

カノニコはとてもエネルギッシュで
彼のメインのナンバーは見ていて楽しかったし、
ACは、個人的に顔が好みなのでそれだけで良かったし(←
$20と考えたらだいぶ楽しめたと思います。

ただね、Brooklynの相当なローカルネタを入れてくるのですよ。
その地域名、知ってるけど、特徴まで知らないから笑えない、
というセリフがたくさんありました。
こればっかりは仕方ないよなー。

でもなんだかんだでじわじわとくる作品でした。
意外とどのシーンを覚えているし。
「素晴らしい!!」という作品ではないけど、
なんだかんだで最後は前向きに終わるので、
とてもいい気分転換になりました。


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