US3都市周遊の旅3-Beautiful : The Carole King Musical Act1

Beautiful : The Carole King Musical
Curren Theatre
B109 $120+手数料$5

11月からBroadway公演が始まるBeautifulの
トライアウトを見るのが、シスコに来た理由でした。
最初はRushを出すぐらいチケットが余っていたようだけど、
オープニングを迎えて批評が出たあたりから、
チケットが飛ぶように売れ、なかなか良席をゲットするのが大変でした。
ちなみにこのB列というのは、今回の劇場のセッティングでは最前列でした。

キャストは以下の通り。
Jessie Mueller Carole King
Jake Epstein Gerry Goffin
Anika Larsen Cynthia Weil
Jarrod Spector Barry Mann
Jeb Brown Don Kirshner
Liz Larsen Genie Klein

Ensemble
Ashley Blanchet
E. Clayton Cornelious
Joshua Davis
Alysha Deslorieux
Kevin Duda
Carly Hughes
Sara King
Rebecca LaChance
Douglas Lyons
Arbender J. Robinson
Rashidra Scott

Swing
Chris Peluso
Gabrielle Reid
Sara Shepard
Melvin Tunstall

Melvin Tunstallはプレイビル上Swingになってましたが、
私が見た2回はずっと出てました。
サイトを見ると、一人黒人アンサンブルキャストがいなくなったみたい。
公演の途中まではいたようですけどね。

Kevinはアンサンブルとして以外に、
Neil Sedaka、The Righteous Brothersの片割れ、
Doctor役での出演もあります。

きっとBroadwayまでに色々と変更されそうなので、
覚えている限り記しておこうと思います。

ではまず全体的な感想から。
正直、1回目は「覚悟していた(?)より
悪くなかったけど、
こんなもんかー」でした。

2段になっているセットや、その背景部分がキレイで印象的だったし、
特に中だるみする感じはなかったし、セリフで笑ったりしたし、
そして何より、Jessie Muellerの歌唱力は抜群でした。
…が、Carole King本人がドラマチックな人生を送っておらず、
しかもとても賢いため、ストーリーそのものに山谷がないんですよね。

小さいときから優秀で2学年も飛び級し、
良いプロデューサーと出会い、大学生の頃からヒットを飛ばし続け、
(Don Kirshnerが実際どんな人物だったかはわかりませんが、
この人を演じているJeb Brownさんがとても優しい雰囲気だったので、
この4人は温かいかつ敏腕プロデューサーと出会って、
良い環境下で作品づくりをしていけて、
それを彼が上手に歌手に割り振ってヒットさせてくれたんだな、と感じました)
いつも周りに仲間であり、かつ良きライバルがいて、
ま、離婚して子どもを育てながら仕事をするのは大変だっただろうけど、
離婚を機に歌手としての活動を本格化させ(と劇中では見える)
最後はシンガーソングライターとして成功を収めるのを
追っていくミュージカルなので、波瀾万丈じゃなく、正直退屈なのです(笑)

なのでこれはJessie Muellerの歌唱力を存分に楽しむ作品、
かつ、個人的にはKevinがちょいちょい出てきてはツボなことをしてくれるので、
それを楽しむ作品でした。
あと本人がどんな方だったかはわかりませんが、
Jessie Muellerが演じるCarole像が、
こう、よくテレビに出てくるような敏腕女性ビジネスマン!!みたいな
肩肘張ったような、わかったわかった、すごいのはわかった、
だからもうその強引な感じとか、見てて疲れる感じやめてよ、
という雰囲気が全くなく、内面の優しさや純朴さ、
そして優秀な感じをひけらかさない、
誰にでも好かれる人柄が自然に出ていたのがすごく好きでした。
DroodのHelenaの、姐さん任せます!!といった雰囲気とは全然違います。

では最初から振り返ってみます。

最初のシーンは舞台の中央に一台のグラウンドピアノ。
Tapestryをリリースした年、1971年6月18日。カーネギーホール。
Carole Kingが初めて人前でパフォーマンスをした日からスタートします。
(曲は”So Far Away”。
プレイビルには”Home Again”って書いてあったけど違った)
もうここの歌から惹かれます。

そして次のシーンは大学生時代。
といっても、2学年スキップしているので、まだ16歳とか17歳とか。
当時Caroleは
大学で教育学を学んでいましたが、
将来の夢はソングライターとして活躍すること。
(一度歌手としてデビューしていたらしいですが、その部分はでてきません)
マンハッタンにいるDonに自分を売り込みに行く約束を取り付けたのですが、
母親は大反対。
そもそもお母さんはきちんとクラシック曲でピアノを練習すれば、
カーネギーホールで弾けるようになるから、と説得し続けています。
このお母さんが終始、いい味出してます。
なんとか行かせて欲しいと懇願していると音楽番組が始まり、
なんと元彼のNeil Sedakaが”Oh! Carole”を歌いはじめました。

このNeil SedakaがKevin。
ここで出る、と予想がついていたので、
もう母親とCaroleとCaroleの友人の会話は上の空(笑)
Kevinが出てきて歌っている間も、
3人がテレビを見ながら何かしゃべってたんだけど、
Kevinに夢中だったので、まーったく台詞が耳に入ってきません。
台詞のジャマにならないように、
そんなに大きな声で歌うわけじゃないんだけどね。
抑え気味に、少しコミカルに歌ってるけど、
ハイノートがピーン、と、音がしっかり詰まっているような感じでした。
♪Darling, there will never be anotherのとこも、
結構音高いのに、気持ちよく出てました。

いやでもその衣装(笑)
紫のテロテロした生地のジャケットに白パンツ。
それでステップ踏んで、手拍子しながら歌うとか、
もうそれだけで涙出るぐらいおかしいんですけど(笑)
ただこのシーンは一瞬で、テレビが消されて
あっという間にKevinも引っ込みました。
するとお母さんが、Times Squareに言っていいよ、と(笑)

そしてDonのオフィス。
ここが1650 Broadwayにあり、
当時ここでたくさんのヒット曲が出たんですよね。
アンサンブルたちが2階建てのセットで、
ヒット曲を7~8曲メドレーで歌います。
Kevinは右手の下に陣取ってました。
オフィスの秘書が元モルモンのCarly。なかなかかわいらしかったです。

そしてDonの前で”It Might as Well Rain Until September”を歌うと、
第一にこれは男性が歌う曲だと思う、
第二に今欲しいのはシンガーではなくライター、
と言われ、ライターでの採用が即決まります。

大学を歩いていると、他の学生がラジカセ?ラジオ?で
男性が歌うこの曲を聞いていたりします。
ちなみにKevinは学生の通行人としても登場してました。
大学で仕事でも私生活でもパートナーになる
Gerry( Jake Epstein)と出会います。
Gerryが歌詞をCaroleに見せると、シンプルなのにこの歌詞はスゴい、
と、一緒に曲を作るようになります。
ここでのキスシーンでのセリフはNice Work思い出しましたよね。

曲が出来上がって、Donに見せに行くと、
先に曲を見せている二人組がいて、
“Be-Bop-A-Lula”を歌っているのですが、このときのピアノ担当がKevin。
この後ベースを持つシーンもあるのでよくわかりますが、
この人全く楽器できないですね(笑)
動きがぎこちなさすぎる(笑)

やっと自分たちの番が回ってきて、Donに見せようとしますが、
Caroleの様子がおかしくGerryがどうしたの??と聞くと、なんと妊娠が発覚。
Gerryはすぐにプロポーズします。
そして歌をDonに見せるときに、Caroleが嬉しさのあまり
歌詞に詰まってしまうとGerryがサポートして歌うのですが、
この二人の雰囲気がすごくかわいらしくて好きでした。

このシーンで出てくる”Somekind of Wonderful”は
Donに見せたあとに、実際にこの曲を歌ったThe Driftersが歌う、
という流れなのですが、
どうもね、この流れがちょいと物語の進行を妨げるのですよね。
別にThe Driftersがフルコーラス歌わなくてもいいなーと思うのは、
この曲に思い入れがないからでしょうか。
客席はおー、この曲か!!と盛り上がっていたけどね。
いや、本家(役)が歌うのはいいのですが、
ミュージカルの中に、ミュージカル曲じゃないのが入ってくると、
曲でストーリーが進まないからちょっと退屈に感じます。
(とはいえ、この作品の中に作品オリジナルの曲はありませんが…)

出産を終え5ヶ月が経ち、Caroleがオフィスで曲を作っていると、
自分を売り込みに来たCynthiaと出会います。
このCynthia役のAnika Larsenが、子どもっぽい3人と姐御、
みたいな雰囲気があり、少しシニカルで、
ちょいちょい台詞も面白かったりして、4人の中でピリっと光ってました。
ただ、ここで歌う”Happy Days Are Here Again”も長いと感じたなー。

そうそう、ここでCynthiaに向けて、
今流行ってる曲はこういうのだから、
君が歌うような曲は複雑すぎて受けないよ、
ってDonが言うシーンがあるのですが、
流行っている曲の例として、またOh! Caroleが出てきます。
出演は3秒、いやワンフレーズだからもっと短いぐらいだけど、
一瞬でて、Ah—っと変な高い声を上げて消えていくの客席爆笑。
また着替えたのね。お疲れ様(笑)

そこにGerryがやってきて、歌詞が作りかけだった
“Take Good Care of My Baby”を歌うのですが、
Tapestryに入っていない曲の中ではこの曲が一番印象に残りました。
韻を踏んでるところのメロディーが好きです。
そして、隣で働いているBarry(Jarrod Spector)もやってきて、
やっと4人が揃います。
DonはBarryとCynthiaを組ませて、
明日の朝までにThe Shirelles用の曲を作ってきて
良かった方を採用!!と2組を刺激します。

Caroleたちは自宅で、Barryたちはオフィスで曲を作り始めます。
まずBarryがCynthiaに自分の曲を聴かせるのですが、
それが”Who Put The Bomp”で、歌詞がない(笑)
これはCynthiaが必要ですな(笑)

2組が制作しているシーンは、2組の間に一台ピアノがあって、
それが下手向きになったり上手向きになったりして、
どっちのペアも使うのですが、
この日はピアノに座ったり、ピアノを離れたり、
という俳優の動きがなんだかもたもたしているように感じました。
Jarrod演じるBarry Mannは女の子好きだったんですかね。
曲を作るために、今日のアポをキャンセルしなきゃ、と
ドクターの電話をかけるフリして、女の子に電話をしまくるBarry。
ちょっとイヤラシく声を出すのですが、
これをU/SのKevinがどう演じるのか気になりました。

2組とも徹夜で曲を作り、Barry&CynthiaがDonのオフィスに行くと、
すでにCarole&Gerryが曲を聴かせていました。
これが”Will You Love Me Tomorrow”。
Barryたちが聴かせるのが”He’s Sure The Boy I Love”
この曲はCynthiaが歌うのですが、この人パワフルな歌声ですねー。
でもキンキンした感じは全くなく、カッコいいなと思ってみてました。

どっちもいい曲だけどCaroleたちが作った曲の方がThe Shirellesらしい、
ということで採用されますが、
(“Will You Love Me Tomorrow”)
The Shirelles本人に言わせるとこれはらしくない、と言われてしまいす。
だったら今はピアノだけだけど、フルストリングスのバックを入れるから、
とにかくこの曲の練習しておいて!!と言い残し、
二人は翌日までにストリングスパートを構成することに。
でもC「まずは図書館に行かなきゃ!」G「なんで?」
C「ストリングスってどの楽器か調べなきゃ!」
このやりとりが最後につながって行きます。
The Shirellesでこの曲をメインで歌うのがCarlyでした。

この曲がビルボードNo.1!!
このときGerryがBarryに自慢するのですが、
それがちょっとイヤなやつっぽく見えて残念でした。

このあとしばらく、Donに刺激されて2組が競争しながら曲を作り、
先にCaroleたちが先に上位チャートに入り、
Barryたちが必死で追いつこうとする、というシーンが続きます。
(ここで出てくるのが”Up On The Roof”←元モルモンのダグラスがメイン、
それと、”On Broadway”と”Locomotion”)
このロコモーション、CaroleとGerryが雇っていた
ベビーシッターに歌わせてみて、そのままリリースした、
って流れになってたんだけど、これホントの話なんですね。
そしてここは唯一黒人アンサンブルが全員出てきて踊るのですが、
Little Eva役がイマイチ上手じゃなくてねぇ。
ダグラスもそうだけど、アンサンブルの人の上手下手にやや差があって、
E. Clayton CorneliousとCarly Hughesは良かったけど、
それ以外のメインボーカルはイマイチだったなぁ。

で、ついにThe Righteous Brothersの
“You’ve Lost That Lovin’ Feeling”でBarry達が一位を獲得。
このThe Righteous Brothesの高音担当がKevinです。
低音担当のアンサンブルがちょいとイマイチで
Kevinのファルセットもちょいとイマイチなんですが、
Kevinが歌いやすいんだろうな、
と思われる音のあたりはいい感じでした。(贔屓目込)
で、ここのWigがなんかおかしくてねぇ。
歌よりそっちが気になったりしたり…。

ここまでのシーンがやけにコンペティティブなので、
この2組ってライバル視していて仲が悪いのかなぁと思いきや、
お互いを刺激し合える、好敵手だったようで、
4人でバケーションを一緒に過ごすシーンは最初、楽しく始まるので
なんかこの4人っていい関係だったんだな、とちょっと安心。

ですが、みんなでストリップポーカーをやろうよ、とGerryが
言い始めたあたりから少しずつ関係が崩れ始めます…。
その前にもGerryが夜に出歩くようになり、
Caroleが自分をもう一度見てもらいたいと思ったのか、
おしゃれなCynthiaに一緒に服を買いにいくのに付き合って、
と頼むシーンがあるのですが、
このゲームを発端に真面目でややお硬いCaroleに
Gerryが対してとうとう不満をぶちまけます。
そして場の雰囲気を変えようとBarryはCynthiaにプロポーズしますが、
Cynthiaは制作パートナーの関係のままでいいとお断り。
あーあ、関係が崩れちゃった。

次のシーンで、ある女性グループ?、メイン+バックコーラス?が
“One Fine Day”を歌うのを撮影している場面になるのですが、
(ここのカメラマン役がKevin)
ここでも二人の関係は悪いまま。
しかもメインボールのJanelleとGerryが遊んでいたことが判明した上に、
若くして結婚したことに不満があるようなことを言い出し去ってしまうと、
この曲をCaroleが歌いはじめます。
この歌詞が今のCaroleにぴったりでね。切なくなりました。
Act1で心情と歌詞が合うのはここだけじゃないかなー。
で、このシーンは好きだから待っちゃうつらい気持ちを表す一方、
Caroleがしっかりと地に足をつけて立っている様子が、
あ、これはAct2からCaroleが一人でどんどん自分の道を開拓していくな、
と予感させるシーンでもありました。

ということでAct1終了。


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