前回の8月の旅行で、一番良かったChaplin。
プレビュー中に見たものだったけど、
久しぶりにステキな作品を見たなーと思ったのですが、
その後出た批評がイマイチだった上に、1/6でクローズの発表。
もう見ることはないかなぁと思っていましたが、
強引に観劇することにしたので、なんとかもう一度見れました。

8月に見たときは音楽の印象が薄いこの作品でしたが、
キャストアルバムを聞いてみると、
スルメ的にじわじわと良くなってきて、
This Manなんて聞くたびに泣きそうに。

実際の人物を描くと、どうしてもAct1のフィナーレが
キャリアのピーク、Act2はピーク後が中心になってしまうから、
Act1の華やかさとAct2の凋落や人間関係の拗れがより対比的になるので、
Act2を見ていてつらくなるけど、
アカデミー賞のくだりからThis Manのあたりのおかげで、
温かい気持ちで劇場を出れるな、と8月に見たときも思っていたのですが、
キャストアルバムを聴くまで、
This Manがここまでジーンと来るとは知りませんでした。

なので今回の注目ポイントはこの曲とチャップリン兄のシドニー。
シドニー役のWayne Wilcoxがかわいいんだけど、
前回彼のチャーミングさに気づくのが中盤以降だったので、
今回は出てくるところから注目してました(笑)
ちなみに彼、RENTの映画板にGordon役で出てるそうです。
手足が長いのか、ちょいちょいダンスに遅れそうになるところは
クリスを思い出しました。ごめんねw

席は右側のBOX。
座席は結構空きがあったように思います。

普通同じ作品を2度見ると違った感想を持ったり、
新たな発見があったりするんだけど、
珍しくこの作品は前に見たときと同じ感想というか、
感情を持ちながら見ていて、自分でもちょっとビックリ。
よっぽど前回入り込んで見てたということなのかな。
こんなシーンあったっけ??みたいなことがなかったし、
ただちょっと内容を知っている分、
Act2のHedda Hopperが執拗に追いつめるところは、
少し中だるみを感じたかな。

ただ、このHedda Hopperのシーン、
どのぐらい影響力のあったコラムニストかわからないけど、
ゴシップを書いている人に世界的なスターが
アメリカを追われるなんて、どうも納得がいかない、
という個人的な感想を相まって、ほんとにこの女性が気に喰わないんだけど、
歌がうまいもんだから、ついつい引き込まれる魅力があって。
最後のカーテンコールもすっごい拍手だもんねぇ。

それにしてもやっぱりこの作品の魅力は主演よね。
演技も歌もダンスもこの役にパーフェクトフィット。
The Little Trampを生み出すシーンは、
あえて何の派手さ(歌やダンス)もなく出来上がっていくのに、
一つ一つの動作を確かめていくのが印象的だし、
ついつい出来上がると拍手しちゃうし、
looks likeコンテストやサーカスのダンスはレベルが高い。
自分の作品から観客がいなくなるところで歌う
Where Are All The Peopleなんて鳥肌もの。

でもだからといって彼のワンマンショーではないところが、
この作品のすごいところでもある。
お母さん役のハンナが、チャプリンが成人したあとも、
インスパイヤーを与え続けたことを表すのに、
ちょいちょい回想シーンで出てくるんだけど、
愛にあふれた母の視線は常に温かいし、
アメリカで最初に入った撮影所のMack Sennettも、
チャプリンをディレクションするシーンが圧巻だし、
実は喜劇王のチャプリンではなく、シドニーがこの作品の
「喜劇」部分、というか明るい部分というか、
箸休めというか、を、受け持っているのも面白い。
ちょいちょい細かく演技しててほんと目が離せなかった。

実はCDで聞くほどThis Manが作品の中だと印象的じゃなかったんだけど、
でも見終わって、あぁいい作品を見た、
と満足して出られるのはステキなことですな。
あちこちでいい作品だったね、終わるなんて信じられない、
と話している声が聞こえました。

ちなみにこの日、Act2の中盤で、
体調が急変した人がいて、救急車呼んでくれ!!としばらく騒ぎになり、
5分ぐらい中断しました。
これまで100回以上劇場で見ているけど、
劇が中断するのって機械トラブル以外では初めて。
無事呼吸が戻って、念のために病院に行く、という話だったけど、
大事に至らなくて良かったね。


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