滞在中2本目の観劇はWar Horse。
トニー賞であの馬を見て、まるで本物のような動きにびっくり。
かつ知り合いがロンドンで見ていて、
本当によかったと言っていたので、気になってはいたのですが、
英語力の問題で、フルプライスを払わなきゃいけないのに、
その価格分、Playを楽しめるかどうかあやしい。
なので見るかどうか躊躇していたのですが、
リンカーンセンターの割引制度を使って
(確か35歳ぐらいまでが登録できるシステムがあった)
チケットを買いました。なんと30ドル。
当日チケットを受け取るまで、
1階席だと勘違いしていたんだけど、
2階席の最前列の席を購入することができました。
Lincoln Center Theater-Vivian Beaumont
Right Side Loge
Row A, Seat 501
$34.25(手数料込)
この作品を見ると決めてから
原作を読んでみたのですが、あれ、これ児童書のはずなんですが、
意外と読むのが大変でして。
Memphisやモルモンの台本を読むのとは難易度が違って、
時間切れで途中で断念したのですが、特にあらすじがわからなくても、
理解できる内容じゃないかと思います。
先に言います、素晴らしかった!!
イギリス訛りだけじゃなくて、フランス訛りの英語、
ドイツ訛りの英語で、もう助けてくれ、っていう感じでしたが、
ストーリーはわかるし、しっかり物語りに引き込まれてきました。
音楽劇っていうんですかね。
ミュージカルと違って、歌でストーリーが進むわけではないのですが、
あいだあいだで、歌があったり、音楽があったりして、
情景を思い浮かべるイマジネーションを刺激してくれます。
また、舞台のやや上のほうにあまり大きくないスクリーンがあって、
そこで映像ではなく、絵が時々展開されるのですが、
これもまたシンプルなんだけど、シーンを理解・想像するのを
さりげなく手助けしてくれます。
そしてあの馬が、本物さながらの動きでしょ。
いや、実はトニー賞で見たときよりも動きが雑で、
あれ？動かす人が変わったのかな？と最初思ったんだけど、
（特に仔馬のときの動きは雑すぎて、
ただ馬の張りぼてを引きずっているようにしか見えなかった）
でも馬がしっかり息をしているように見えるし、
かつシーンによっては動かしている人間そのものが動くことで、
馬の動きや状況を表現することもあって、
あぁ、これが映像じゃない舞台の面白さだよな、と強く感じていました。
俳優陣でいうと、ドイツの将校(?)が印象的だったかな。
背が高くて、軍服が似合ってるんですよね。
かつ、声が低めで好みでした。
あとはMatt Doyle。この中で唯一知ってる人だったのでね。
Albertの親戚役で、金持ちのぼっちゃんなんで、
ちょいちょい嫌なやつなんですけど、
Albertとのキャラクターが対照的で、印象に残りました。
Albertは、というと、実はですね、
狂気的な馬への愛情に少し違和感を感じたところもあって。
ま、フィクションだからそこはあえて考えないところかもしれないのですが、
作品として繰り広げられる内容がとてもリアルで、
こういうことが本当にあったんじゃないかと思わせるぐらい、
入り込んでいける作品だったので、
逆に、そこまで馬に入れ込むってどうなんだろ、と思ってしまったのですよ。
大切に馬を、友達以上の存在としてお世話する、心を通わせるってのは、
もちろんわかるんだけど、友達いないんじゃないかな、とか、
毎日馬としか接してなかったら、軍隊なんかでやっていけないよな、とか、
そんなことを思ってしまって。
でも軍隊に入ってからのAlbertはやっと人間らしくなったというか、
ちゃんと他の人とコミュニケーションとってたので、
あぁ普通の少年だったんだな、と安心しちゃいました(笑)
まぁ裏を返せば、そのぐらい、マペットとのシーンが自然というか、
馬への愛情が伝わってきたからなんですけどね。
そして最後は、これからどうなるの？とハラハラしながら見ていたので、
最後の結末には思わず涙を流してしまいました。
あんなにポロポロ泣いたのっていつ以来だろ。あ、N2Nだわ。
ということで、コレは一見の価値ありだと思います。
本当にいい作品でした。
(30ドルだからと、多少見逃してもいいやと気楽に臨んだのもよかったかも)
映画化が進んでいる作品ですが、
多分私は舞台版のほうが好きだな。
映像だと色んなシーンがリアル映像になっちゃいますからね。
こうイマジネーションを使いながら見る舞台のほうが入りこめると思います。
おまけ。工事が終わってこんなんになってました。
