このRagtime、最後に見ると決めた作品でした。
それまではROAが有力だったのですが、
キャストが40人!?、今シーズンのリバイバルでは一番期待大!?と聞き、
すごく気になってしまったのでした。

直前に98年のOBCのアルバムで予習。
ほぼ歌詞の内容だけで内容がわかりました。
ついでに映画も見てみたけど、歌詞のほうが役立ちました。

Ragtime
Neil Simon Theatre
N109
プレビュー開始直後とあって、1階席は7割ぐらいの埋まり具合でした。

幕が開くと、舞台上に10数人の白人。
さらに幕があがると、セットの2階10数人の黒人。
そして3階に10数人の移民。

この時点でワクワクします。
40人のキャストは圧巻です。
Ragtimeに乗せて、それぞれの境遇が説明されます。
曲の最後には全員1階に降りてきて、三者三様の歌詞と歌フリ。
もう音の厚さに身震いする感じです。

セットは3階建の鉄骨が中心。
これ以外に場面に合わせて、手で動かせる小さなセットが出てきますが、
鉄骨はずーっと舞台の上。
上下に人が動くことで舞台に奥行きが出ます。

そしてまず白人のお母さん「Mother」がGoodbye, My Loveを歌います。
Christiane Nollさん、すごく声が通って聞きごたえがあります。
その次のJourney OnもFatherとTatahとMotherの三重奏が、
がんがんと体に響いてくる感じ。
そう、この作品、音楽が豪華というか、いいんですよね。
期待が高まります。

…が、次のシーンであれ?
Younger BrotherのBobby Steggertは
情けない表情なんだけど、歌はすごくうまいのに、
Evelyn Nesbit役の女優さんがイマイチどころかイマニ、イマサンです。
確かに小さい役だけど、これまで聞いてきたCDと比べて全然迫力がない。
歌フリもなんだか一人スケールが小さいというか、適当。
しかも退場する際にまだ舞台から見えているのに頭に乗せてる
衣装(カツラというか、髪につけている飾り)を取っちゃうし。
もうちょっと細部まで気を遣ってくれ~!という感じでした。

でもこのがっかりはまだ序の口でした。
SarahとCoalhouseはかなり重要な役なのに、二人とも全然歌が…。
特にCoalhouse。
声量はすごいし、歌い方もすっごく迫力があるのに、音が合ってない。
全部ちょっとずつずれてる。
鍵盤では出ないぐらいの微妙なズレですが、
どの曲も微妙にズレていて、聞いていてすっごく気持ち悪かったです。
一気に話が最後に飛びますが、最後のカーテンコールでは
彼が一番大きな拍手を貰っていて拍手したいけど、拍手できない感じでした。
Sarahは、これ、オードラ・マクドナルドがトニー賞とった役ですよね。
ほぼ前半で出演が終わってしまうのに、それで獲ったんだから、
どれだけ彼女の演技や歌がすごかったことか。
今回のSarahは全然印象に残りませんでした。

この作品、キャスト全体でやっているときは、ほんとに迫力があるけど、
個人のシーンになるととても退屈でした。
ソロやデュエットで歌うと聞き応えがない。
どの曲も98年のCDに負けています。
聞き応えがあるなぁと思ったのは
MotherとYounger Brotherだけでした。
Tatahも悪くなかったんだけど、
なんだかバタバタあせっている感じがあって、
こちらが「大丈夫かしら」と思ってしまうところがありました。

あと人から聞いた話ですが98年よりもセットやHoudiniのシーンが
かなりスケールダウンしているらしいです。
私は今回のしか知らないので、セットはそこまで豪華じゃないけど、
上手に使っているなぁという感じでしたが(車とかね)
Houdiniのシーンは、え?これだけ?というのが率直な感想でした。

でも”Henry Ford”のシーンは人を豪華に使って、
正面から見ると、1階から3階までのキャストは見ごたえがあったし、
“Gliding”の演出もベタだけど、激しくストーリーが動く中で、
なんだかほんわか、とするシーンだったし、
“What A Game”も球場が目に浮かぶようだったし、
キャストがたくさん出てくるところは見ごたえはありました。

この作品、絶対私の好みなんですが、
いいシーンとイマイチなシーンがはっきり分かれちゃった感じ。
98年のキャストで見てみたかったなぁ。

まだプレビュー中だったのでこれから変わるかもしれませんが、
大キャストの迫力で迫れないシーンは、どうなるんだろーって感じです。
でも周りからすすり泣く声も聞こえたし、ストーリーには引き込まれる…かな。

 


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