今回の旅行で一番楽しみにしていたのがこのN2N。
29日の分はチケットを買っていなかったので、Lottoに挑戦しました。
友達にも付き合ってもらい、全部で30人強ぐらいだったので、
いよいよ当たるかも!?と思ったのですが、
こんな倍率でも当たらず…でした。

結局最初の8人が呼ばれたところでLottoは諦め、
Box Officeに向かい、割引コードを使ってチケットを買いました。
これがまたいい席で。E112。
3階建てのセットのどこも良く見えました。

Next To Normal

Booth Theatre

E112

この作品含め、ネタバレありですので、
これからご覧になる方は読まないほうがいいかもしれません。
あと勝手に解釈しているので、
台詞を聞き取れておらず間違えているところ、
そもそも解釈が間違えているところが多々あるかもしれませんが、
その際はコソっと教えてもらえると嬉しいです。

この日は少し覚悟はしていましたが、Aaronがお休みでした。
でも先に言うと、U/S良かったです。
Kyle Dean Masseyくんという子でした。
歌が上手というか、やさしく歌っていて、
周りとのバランスがすごく良かった。
Natalieが終始叫んでいる、というか、大きな声を出すので、
Gabeのやさしさがとても引き立っていました。

もう最初のJust Another Dayからアドレナリン出っ放しです。
たった6人の舞台なのに、
人数の少なさなんて微塵も感じさせないパワー。
一瞬も舞台を見逃すことができません。

この作品は初見で理解するのは、ヒアリングができなくて厳しいだろうと、
先にCDのブックであらすじを読んでいたのですが、
それでも表情や歌い方にドキドキします。
まずDianaが椅子や床にパンを並べてサンドウィッチを作るところ。
Dianaの必死すぎて、自分がおかしいことに気づいていない表情と、
Danの憐れみの表情、Natalieの「まただよ」っていう飽きれた表情。
このシーンで、Dianaは何か問題を、
長期間抱えているなっていうのがすぐにわかります。

Natalieは怒って学校に行ってしまうけど、
Danは怒るわけでもなく、悲しむわけでもなく、
必要以上に心配するわけでもなく、
まるでルーティンワークであるかのように後片付けをする。
台詞以上に家族の背景がわかる一場面でした。

そして”It’s Gonna Be Good”から”I Am The One”までに
ガーっと曲が続いていくのところは、
感情がまるでジェットコースターのようにすごいスピードで変化し、
一気にこれまで家族が抱えてきた葛藤が表面化します。
で、多分、DanのI am the one who know youや、
DianaのYou don’t knowっていう会話は、
もう十数年間繰り返されてきたことなんだろうなぁっていうことがわかる。

話は飛ぶけど、だからこそ、最後にDianaが去ってしまうのが悲しい。
なんとか争いごとをしながらも、十何年持ちこたえてきたことなのに、
どこで歯車が狂っちゃったんだろう、
なんでDianaは去る決心をしちゃったんだろうとすごく胸が痛くなります。

それとNatalieのSuperboy~の部分。
Natalieはスマートな子だから、
直接母親に「私のことを見て!」なんて言ったことはなくて、
でも自分の存在のモロさをすごく恐れているのに、
母親から「I love you as much as I can do」と言われてしまう。
I love you as much as I can do、だなんて、普通は言わない。
でもそうとしかいえないDianaの息子を失った悲しみの深度が
わかるような気がしました。

そしてAct1はA Light in the Darkで終了。
この前にあるI’ve been含め、
DanのDianaを思う気持ちが痛いほど切ない。
あまりの切なさに体が緊張して肩の周りに力が入ってしまい、
インターミッション中に、思わず揉みほぐしちゃいました(笑)

もうね、この作品はDanに心を揺さぶられっぱなしです。
Aliceの演技も歌もすごく迫力があるんだけど、
この作品はRobertの演技があるからこそだな、と思いました。
この日はA Light in the Darkでまず涙しました。

この作品は男性陣が女性陣を支えてくれるシーンが多いからか、
夫婦で見に来ているところは、
ダンナさんが奥さんの肩に手を回したり、
奥さんの顔を眺めていたり、というのをあちこちで見ました。
夫婦だからこそわかる何かがあるんだなぁと思ったり。

インターミッション中はトイレに行ったのですが、
トイレの列がシーンとしていたのは今回が初めて。
男性トイレも女性トイレも誰もしゃべりません。
地下がなんだかこれまでに体験したことのないような空気感でした。

あ、そういえばDr.Maddenについて書いてなかった(笑)
うーん、でも顔はしっかり覚えているんだけど、
歌とか演技はあまり覚えていないんだよなぁ。
you’re not a scary rock star anymoreに
何故続くのかはわかったけど(笑)

ということでAct2。
Dianaの記憶がなくなってしまい、
昔の写真や品物を持ち寄りながら、
なんとか記憶を呼び戻そうとするDanとNatalie。
Danの昔話に「Oh, Dad」というNatalieがかわいい。
でもすぐいつものいらいらしたNatalieに戻って、
決していいとは言えない思い出ばかりを言うと、
これが逆に効果があって、Dianaが色々と思い出す。
2幕って結構Natalieがポイントですよね。
記憶を思い出させるのも、自分を解放するのも、
Dianaに歩み寄るのも、最後にDanを慰めるのもNatalie。
一番強くて、一番変わるのがNatalieだなぁと。

でも一方でGabeは「今のまま」を望んでいるから
GabeのAftershocksがすごく気味が悪かった。
みんなが前に進もうとしているのに、それを許してくれない。
なんだかスーッと体温が下がるような、
冷たい空気が流れるようなそんな感じ。

一方でDanはやさしく、うまくコトがまわるように配慮するのに
Dianaがそれを拒否するようになる。
そしてとうとうDanが感情を露にして、初めて怒って、
オルゴールを投げつけるところは、ビクっとしました。

この一件以降、Dianaは実家に帰ることを決心してしまう。
Dianaはこのままではみんながダメになると思ったのだろうけど、
Danの落ち込みようと悲しみがもう…。
ここのRobertの表情にやられました。ポロポロ泣きました。
まさかこんなに泣くと思ってなくて、
ハンカチを用意していなかったんだけど、
手で涙を拭いても間に合わず、最後はちょっと諦めました(笑)
ミュージカルはこれまでにいくつも見ているけど、
演技に泣かされた、というかポロポロ泣いたことがもう初めてでした。
ジーンとくることはあっても泣くことはなかったのに、
完全に今回はパパにやられました。
この人、スゴイです。なんでトニー賞じゃなかったんだろ、と思うぐらい。

で、最後はLightで前向きに終わるから、ちょっとだけホッ。
最後はものすごいスタンディングオベーションでした。
この日の客席はすごくノリが良くて、
前半は良く笑い、後半は良く泣いていました(笑)

終了後はステージドアへ。
キャスト全員出てきて、全員にサインをもらいました。
あとRoberとAliceとは写真を撮って
もらいました。

Robertにはどうしても、「あなたはすごかった!」と言いたくて、

かなりあやしい英語ですごく感動したことを伝えました。

ちゃんと通じていたのかは不安。

だって、Gabe役の子に一度Sorry?って聞き返されたからね(涙)。

Aliceは一人一人とゆっくりおしゃべりしていました。
ここまで丁寧な女優さんって初めて見た。
Aliceは紫のペンを使ってサインを書いていたんだけど、
誰かが何故紫なの?と聞いたら、
役に入り込むのに精神をおかしくするための色なんだ、と言っていました。
ちなみに私と話していたときは、
私の英語が出てくるのが遅いからか、こんなサインを書いてくれました。

↑一番上。Aliceが装飾されているでしょ(笑)

で、やっぱりちょっとはまり込んじゃった若いファンもいくつかいて、
かなり騒いでいました。俳優さんも大変ね…。

 


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2 thoughts on “観劇日記3:Next To Normal

  1. ネタばれ覚悟で読みました。
    これ読んでやっぱり後方でも見たいと思ってディスカウント(他2回は正規料金)でチケット買っちゃいました。J102だから真ん中より後ろだけど、他2回が前から2列目だから、まぁいいかと…。

    YouTubeで、舞台のビデオがいっぱいupされていて、つなぎあわせると全編見えそうな感じだけど、じっと我慢しています。

    ロバートとアリスとの写真、素敵ですね~
    お二人とも役柄とは正反対の笑顔(当たり前だけど)で、すごいチャーミングですね。
    お友達に撮ってもらったのですか?

    heatherさんのブログを読みながら、私も期待が高まります!

  2. >Megさん
    YTでは見ずに、生の舞台を是非楽しんでくださいね。2回見て新たに気づいた部分もたくさんあったので、それは別のエントリで書いていこうと思っています。

    J列ならちょどいいんじゃないでしょうか。全然後ろじゃないですよ。そもそもこの劇場、小さいですしね。

    写真は近くにいた人にとってもらいました。Aliceとの写真が少々ピンボケなのが残念です。

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