1月14日(日)のマチネは2度目のThe Producersを観劇。
その詳しい(??)レポートです。

思い出し次第どんどん追記していく予定なので、
これは完全版ではありませんが、どうぞご了承下さい。

※この記事は美都さんのブログ「レーンですから。」とリンクしています。

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何で既に昨年この作品を見たのに、もう一度見たかというと、
オリジナル・キャストのRoger BartがLeo Bloom役で出ているから。
5度目のリプレイスメントだそうな。

46th stのSt.James Theatreにて。席はFの右端から2番目。
でも両サイドがいなくて、ゆっくり見れました。
そんな場所で目立ったのか、それともBox Officeのおっちゃんが
Rogerに本当に伝えてくれたのか、何度かRogerと目があったような(笑)
注:Box Officeにチケットを買いに行った際に、
「Rogerは日曜日、出演する?」と聞いたら「I hope so」とのこと。
「それにしても、Rogerはgirlsに人気だね」というから、
「日本からRogerを見に来たんだよ」と言うと、
(すいません、本当は違うショウに出ている俳優さんがお目当てでしたが)
「彼は日本でも知られているのか、びっくりだよ!」と本当に驚いていました。
「映画版も、Desperate Housewivesも日本で人気なの」と言うと、
「じゃ、Rogerに君が日本から見に来にくることを伝えておくよ」と
そういう会話をしたのでした。

今回の配役は、Leo役がRoger Bartで、Max役はTony Danzaという方。
TVでとても人気のある方みたいで、最近客の入りが悪い
The Producersの起爆剤となるべく選ばれたそうです。
Tonyが真珠をまとった女の子たちに囲まれているポスターが
劇場のドアのところに貼ってあったんだけど、
「過去最高のTony Awardsをとった我々は
更にもうひとつTonyをゲットした!」というコピーが書かれていました。
どういう英語だったかすっかり忘れてしまったのが残念なんだけど、
うまいコピーだなぁと。

ただこのTonyさん。
B’wayの舞台にはたったことがあるらしいんだけど、ミュージカルは初挑戦。
オープニングナイト(というんだろうか、First Night?)以前から、
Tonyで大丈夫なの?という声があがり、
開幕後も、掲示板ではnot horrible だの
neither a revelation nor a disastar だの
「悪くはないけれども…」みたいな感想しかなくて、
ちょっと不安だったんですが、ま、その通りだったね。

まぁネイサンと比べてしまうと、
誰もがそういう評価になってしまうと思うのですが、
このTonyさん、歌がイマイチなのよねー。
歌詞を台詞のように歌ったり、声にビブラートがかからなかったり…。
いやー、B’wayではじめてみたよ。ビブラートがかからない人。
そのためか、音をあまり伸ばして歌おうとしない。

でもね、やっぱりテレビで有名なだけありますよ。
存在感があった。
The king of B’wayがイマイチでまずおいおいと思い、
LeoがMaxのオフィスを訪ねていくシーンで、
Tonyがなんだか一人で焦っていて、
あのどたばた感があまり感じられなくて、
ほんとに大丈夫なのかな?と思ったんだけど、
Spring timeの台本を見つけるあたりから、
落ち着いてきて、二人の息があってきました。
Rogerに引っ張られてる感はあったけどね。
リオにいるLeoからの手紙を読むところで、喉に何か詰まったのか、
何度か読み直しをし、「Excuse me」と言う予想外なことが起きたんだけど、
でもこんなシーン見れてラッキーと思わせるようなカリスマ性がありました。
「Betrayed」は前述の通り、歌としてイマイチだったんだけど、
でも本当にLeoがいなくなったことを嘆いている様子が素晴らしくて、
あ、やっぱ、すごいのかなと思いました。
全体としては、圧倒的にRogerのほうがうまかったんだけど、
意外とTonyがどういう演技をしてたかってのも覚えてるんだよね。
すごい印象に残ってる。
そういうところでやはり、カリスマなのかも。

ただこの人、全然太ってなくてさ。
二重帳簿を奪い合うシーンで、Leoがfat fat fattyとMaxに言うんだけど、
このシーンをどうするのかなぁと思ったら、
Leoが初めてMaxのオフィスを尋ねるシーンで、
1940年代に見たショウの半券をまだ持っていますよというところで、
「You used to be fat」という台詞が入り、伏線を入れていました。
そこでMaxが「I’m never fat, I’m husky」と返す。
(huskyって日本語でよく使う声がハスキーという意味と、
大柄という意味があるようで、多分後者で使ったと思うんですが、
私はTonyさんの声が良かったので、前者かと勘違いしてました)

で、肝心の帳簿を奪いあうところでは、
「You are fat, fat, fatty! husky, husky, husky!
Gimme a fat book!」という台詞になり、
最初のシーンでの伏線がここで出てきました。

で、Rogerは…といえば。

もうね、うまい。最高にうまい。歌もダンスもアドリブも。
5度目のリプレイスメントなだけあって、超余裕。
観客を笑わせるツボを知っているような感じでした。
目立ったアドリブといえば、彼は99年に
「You are a good person, Charlie Brown」というミュージカルで
Snoopy役をやっているんだけど、その遠吠えを披露してくれました。
I wanna be a producerのところで、
“I say you, you, you, not you”という台詞があるんだけど、
not youという相手は、アグリーな女性なんだけど、
その女性を見た瞬間、ウォォォォーーーーと遠吠えをひとつ。
観客もSnoopy役について知っているから、大爆笑でした。

他に台本と違ったところは、ロジャー・デ・ブリーの屋敷でのシーン。
ソファーの上に唇型のクッションが置いてあるんだけど、
Leoがどこに手を置いたらいいのか躊躇していて、
何度も座り方を変えたり、手の位置を変えたりして、
そのポージングの仕方が面白かった。
しかも最後はその唇を手で動かして「Hi, Max!」と。
Leoってこんなに面白い人だっけ?というぐらい笑わしてくれました。

他には刑務所で囚人たちにダンスを教えるシーンで、
普通なら「独房まで聞こえる声で!」というところが
「今度は殺人者たちだけ歌って」という風に変わってました。
もしかしたら、殺人者じゃなくて他の犯罪だったかもしれないんだけど、
その単語を度忘れしてしまいました。
この台詞をいうときに、わざと客席のほうを見て、
面白いこというよーって暗示をするんだけど、その通り大爆笑でした。
(あまり自信がないのですが、セクレタリーという単語を
言ったような言わなかったような。
もしかしたら「セクレタリーにいたずらしちゃった人だけ!」という
台詞だったかもしれません。
この台詞のときにHow to succeed in Business…での歌を
パッと思い出したんですよね。
ただ観客の笑い声に台詞が消されてしまったので、確証はありません)

あとハプニングで言えば、Ullaのダンスのところで、
Leoに白いマフラーを巻いて、それをダンスでとるところ。
Ullaのマフラーがちょうどクロスしたところを持ってしまい、
マフラーと一緒にLeoの体まで引っ張られてしまい、
パッとUllaがマフラーから手を外したため、マフラーが取れず。
結局Leoが即、自分で外し、
パパパっと折って短くししばらく持ったままで、
Ullaが帰りかけたところで、秘書と受付係を頼む際に
そのマフラーを手渡してました。
で、Ullaが自分のバッグにしまってました。

もうひとつは、Where did go rightの
最後にレビューの載った新聞をMaxとLeoで破くところ。
二人のタイミングが合わず、Tonyの手から新聞が離れてしまい、
新聞は一切破れず…。
結局Leoが一面全部新聞を持ってしまっていました。

とにかくRogerはすごかった。
言葉では言い表せないんだけど、
間とか、表情とか、そういうのが面白くて、
台詞は結構台本通りに進んでいたので、
ほんと映像で見てもらいたいぐらい。
それに、本当に歌がうまかった。
You can do itや、Where did we go rightなど、
Tonyとの掛け合いがあるところは、
もうTonyに申し訳ないぐらいでした。
でもだからと言って、Rogerがでしゃばるわけでもなく、
なんていうのでしょうね、前から引っ張ってあげるのではなく、
後ろから支えてあげている感じがありました。

終わった後はステージドアで待っていたんですが、
Tonyだけ出てきて、サインしてくれました。
周りの観客が素晴らしかった!とあまりに言うもんだから、
Tonyのご機嫌もよかったようで、何度も何度もありがとうと言っていました。
しかもあなたはとてもステキだったわ!といわれて、
「だってこのショウはもともとステキなショウだからね」と
謙遜していたり、なんだ、いい人なんじゃん!!
ちなみにRogerは違うドアから帰ってしまったそうな。
私の目的はRogerだったんだけどな…(笑)

ところで、昨年Hunter FosterのLeoも見たけど、
彼のほうがもう少し弱々しい感じがありましたが、
Rogerの方が断然うまかったように思います。
もう表情がころころ変わるし、声の表情もすぐ変わるし、
ずーっと彼を目で追いかけていたけど、すごかったです。
彼を見に行ってよかったと思えるぐらい。

でもMatthewも含め、全員が違ったLeoで面白かったです。


RogerのLeoはマシューのよりも人気だといわれていたりするんですが、
マシューの大ファンという欲目を入れると、
それはMaxを誰が演じるかによるんじゃないかなと思ったりしました。
マシューのLeoは本当に最初、LoserでCowardでChikenなんだけど、
Maxと出会ったことによって、友情が芽生えるどころか、
Leo本人が最後は名前の通りBloomするのが本当によくわかる。
(ちなみに来日公演のLeoは、チキンすぎて全くBloomせず、
なんでこんなひよい男がUllaなんかにもてるんだ!と思った記憶があります。
そんなLeoを見ていたから、映画で見たMatthewには本当に感動した!)

多分ネイサン以外のMaxだと、
Leoはもともとできるやつじゃないか!という印象を受けてしまうんだよね。
落ちぶれてはいるんだけども、脂がのってて、
でもどっか憎めない悪巧みなところがあって、
友情も忘れないMaxはネイサンでしか見たことありません。

ネイサン以外のMaxだと、いいタイミングでLeoのアドリブが入ったり、
面白いことを言ったりするのが目立つ。
きっと最初のダメなLeoじゃ、
そんな気の聞いたことのひとつもいえないのでは?という感じなんだけど、
RogerもHunterもそこらへんは軽々とやっていました。
特に今回はTonyがあまりアドリブを言わないので、
余計Rogerのアドリブが目立っていたように思います。

ただ、だからと言って、どっちがいいとか悪いとかではなく、
マシューがやるLeoの弱々しさというか、情けないっぷりっていうのは
彼特有のものだと思うし、でもRogerの実は結構器用なやつじゃんと
思わせてしまうLeoも、どっちもいいなというのが私の感想です。
特に今回はTonyをRogerが引っ張っていた感があるから、
Rogerが本当に素晴らしい!と思ったけど、
でもマシューファンとしては彼のLeoも素晴らしいと思うわけです。
まぁかなりの欲目を入れるならばネイサンと組んだ場合、
余計なアドリブがなくても、
きっと二人の演技だけで十分おもしろいんだと思う。

なんていうのかな。
二人のLeoは同じ役で同じ台詞をいうけれども、違う人物なんですよね。
最初は情けないけどBloomするLeoか、心の奥に夢を持った実はできるLeoか。
前者のLeoはMaxによって人生が変わり、
その変わっていく中で、Maxも最高のパートナーとしてLeoを認めるし、
後者のLeoはMaxによって輝く機会を得て、
更にはMaxをもう一度輝かせてあげる。

あとは、何度もこの作品が繰り返される中で、
あとからリプレイスメントされた人たちは、
最初のマシューのLeoをほとんどの人たちが知っているから、
そこを元に、自由に演じることができる
っていうのもあったのかなと思います。
どんどんアドリブが多くなるのも、そのためかなと。

オリジナル・キャストが全員リプレイスメントされて、
期間限定で上演したことがあったんだけど、
その時はアドリブのオンパレードだったらしい。
でもそれって、観客がみんなどういうショウでどういう内容で、
どういうキャラクターなのかを知っていて、アドリブがあることによって、
より笑えるというのを知っているからだと思うんだよね。

まぁ、でもRogerを見に行って本当に良かった。すごいよ、彼。
カルメンとレオを両方やれるのは彼しかいないね。
マシューは絶対カルメンできないと思うもん。
また9月からMelの作品に出るので、見に行こうと思います。


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