Fun Homeを見たあと、
Alisonが少し茶化しながらも、
父親への尊敬や恐れの表現の仕方や、
父娘の距離感が自分のものと似ている気がして、
原作を読んでみることにしました。
図書館にリクエストを入れたのが6月上旬。
まわってくるまでに2.5ヶ月かかりました。
でも渡ってきた本が新品だったんですよね。
リクエストが多くて貸し出す本の冊数を追加したようです。
Chapter7まであるのですが、
全体の流れはミュージカルと同じように、
littleとMediumを行ったり来たりしながら進んでいきました。
もう返却しちゃったので、細かい記述や各チャプターの内容が
確かではないのですが、Chapter1,2は主に小さい頃の話でした。
主に前半は父親の人格や特徴が語られる部分が多かったのですが、
父は子どもといることを楽しんでいたとは思うけれど、
「家族」という機能を持つという体裁の方が重要だったようだ、
と、ちょっと父親を突き放すように表現しているものの、
一人目の子どもだったからか、
色々と父親に付き合わされる羽目になるんだけど、
当時はいやいや付き合っていたものの
結局はそのときの経験が「私」を形成する基礎になっていたり、
好みや考え方がモロ影響を受けているあたりが、
各エピソードの行間からにじみ出ていていました。
私も小さいときに色々と父親に手伝わされたり、
父親がいきたいところに連れて行かれたりしたんだけど、
原作の方が二人だけの作業の様子が多く書かれていて、
ミュージカル以上にアリソンとの共通点を見つけたような気がします。
まだ父親が生きている間だったら、
この作品のような父親との微妙な距離感のある
書き方にならないと思うのですが、
その絶妙な距離の取り方が、私の父親との関係を思い出すことになって、
何度も何度も胸がぐーっとなりました。
亡くなってしまったからこそ、
思い出が美化されて父親を否定できない部分もあったかと思いますが、
自分が最も影響を受けたのは父だということをわかりながらも、
生存中はそれを認められなかった(気づかないふりをしていた)アリソンが、
父親への尊敬や畏怖の念を、
直接生存中には伝えることができなかったことへの後悔と、
もっともっと話をしたかったし、感謝も伝えたかった、という
しばらく胸の中でもやもやを抱いてものを
ただ感謝、感謝と連ねるのではなく、
蔑むような視点をわざと加えながらもおもしろく表現しつつも、
自分が抱え込んでいたものを解放させているというか、
父への公開詫び状の側面を持っているような印象を受けました。
Chapter5,6がアリソンの大学時代の話が主だったのですが、
前半ではアリソンとの共通点を感じていたものの、
ここらへんの部分は、私自身ができなかったことなので、、
ちょっとジェラシーを感じながら読んでいました。
例えば、アリソンが大学に入ってEnglishクラスを取っているときに、
アリソンは父親にヘルプを求めるのですが、
父親も自分の得意分野だから、
これも、これも、と喜んで(父親はそれを表情には表さないけど)
教えてくれるんですよね。
(ここは私の父とそっくり)
なんだかんだでアリソンはパパっ子だし、
文句をいいつつも二人の関係が悪いわけじゃないし
頼れるときにきちんと頼っている様子は
ちょっとうらやましくなりました。
(私はヘルプを求めることができなかった)
結局、アリソンって父親が好きですよね。
父親が好きな作品を扱う授業を見つけて
それを受講するんだけど、
なんだかんだで父親の跡を追ってしまうのも、
みんな同じなんだな、とちょっとクスっとしてしまいました。
…と、作品への私の個人的な感想はどうでも良いのですが。
Fun Homeの原作を読んで一番強く感じたことは、
この作品はMemoirからミュージカルへのtranslationが
ほんとにほんとに素晴らしかった!!ということです。
先に舞台を見ているので、
舞台の印象に引っ張られつつこのmemoirを読んでいる部分は
あったと思うのですが、父を描写するテンポや、
父に対する緊張感が、まさに本を読んでいるのと同じでした。
その一方で原作の内容の強弱と、
ミュージカル内での強弱がだいぶ違ったのですよ。
ミュージカルで曲になっている部分が、
必ずしも原作の中でコマ数を割いて
「強」で描かれているわけじゃないんですよね。
なのに、ここをあの曲にしたのか!!という驚きと、
そのどんぴしゃ感がたまらなかったです。
特にFun Homeの部分は原作内ではないに等しいし、
Changing my majorの元になっている、
ジョアンとの関係も、もっとサラっと書かれていたんですね。
その一方で原作では母親がもっと出てくるんだけど、
ミュージカル内ではそれが最小限に抑えられていたと思います。
やー。
改めてFun Homeの脚本と作詞・作曲の人に脱帽です。
原作の魅力を余すことなく盛り込みつつも、
ミュージカルとして見応えのあるものに変身していて、
ほんと、こういうの作る人たちって頭いいんだな、と。
そしてお決まりのように言いますが、
原作を読んだので、改めてミュージカルを見てみたくなりました。
Today Tix当たるかな…。